カスタマーレビュー

2020年5月15日に日本でレビュー済み
どちらも漫画ならではの利点で、上手く使い分けています。
一事が万事荒唐無稽で済んじゃうと謎は謎でなくなります。
「こんな高校あるかい」と突っ込まざるを得ない導入部から無駄のない展開でグイグイ謎に巻き込まれていくのは、そこに人の心の普遍性が反映されているから。
恋慕、嫉妬、独占欲…一言で善悪では割りきれない人々がそれぞれの事情や思惑でうごめく社会をギュツと詰め込んだような葉蔓高校で次にどんな事件が起きるのか、まだまだ目が離せません。
高校を舞台にすることで「殺人に依存しないミステリー」として謎の純度が高まっているようにも思えます。
あくまでも「謎解き」にこだわる姿勢は好感が持てますし、キャラクターも魅力的。

正義感と行動力に溢れ、鋭い観察眼と勘が冴え渡る香月。
飄々とした挙動から視野の広さと抜け目なさが垣間見える大地。
情報収集担当ながら女性とされることの脆さを抱えた隠れ正統派ヒロイン美女。
叡知や腕っぷしが無くても以外と頼りになる誇り高き騎士、卓馬くん。
そして憎みきれないろくでなし、生徒会長!
やたらと露出度が高いけど繊細で共感性の高い高木さんの描写は、女性ならではかと。

数十年前に姉の単行本を読んでいましたが、大人になって気付く事がいっぱい。
本作の影響もあってミステリーファンになりました。
元ネタがわかると「上手く料理してるなあ」とさらに納得。
花ゆめ版大岡裁きのエピソードは道化回しの生徒会長がらみの描写に妙に力が入っていて、心地好く苦笑できます。
楽しみながら描いてる事がわかるのも月刊連載だったからでしょうか。
ロマンポルノとポケベルが同居していた時代性など、連載当時の流行がわかるのも年月を置いて読めたから。
時を越えて様々な視点から楽しめるのは、やはりこの作品が古典となり得る豊かな普遍性を湛えているからなのでしょう。

(野間美由紀先生のご冥福をお祈りします)
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商品の詳細

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