カスタマーレビュー

2019年8月6日に日本でレビュー済み
色々思ったことを書き込んだら、非常に文字量が多くなってしまいました。
興味と時間があるときにでも目を通していただければと…

過去回想
今巻はヴィラン連合の掘り下げというのは解るのですがそれがとても微妙に感じました。
普通、キャラクターの過去回想というのは、ある種の謎解き的な要素があると思うのですが
この漫画における過去回想は着眼点のおかしさや意味不明な情報の多さで、逆に謎が増えたり難解になることが多いです。
自分の娘の血を啜るという奇行そのものや衛生面の心配より笑顔の不気味さに触れるってあります?
一般的に交通事故は乗り物に乗っている側の過失が大きい訳ですが、その加害者側に対して
「今回のケースでも10:0とは…」って何の話ですか?
過失相殺されても基本的に乗り物側の過失は0にはならないと思うんですが。
まあ、内容の違和感には触れましたけど、トガとトゥワイスの過去回想の必要性は解ります。
トガの過去回想はストーリーの筋に組み込まれている作りであったし、トゥワイスも「骨折」というラインの説明でもありますし。
ですが、死柄木の過去回想は、強大なデカブツ同士のぶつかり合いか!?みたいなあのタイミングでやる必要はあったんですかね?
しかも、過去自体はある程度予想出来るものの通りでしたし、置かれていた境遇でいってもエリちゃんや轟の方が辛いぐらいじゃないですか。
故に、作中内で起こっている事に反して「で?」という感想しか出ず、そもそも過去回想ならドクターとの面談の時にでも全部やっとけよとしか思えませんでした。
しかし、そんなことよりも死柄木の過去回想には致命的な部分が二つあると思います。
まず第一に、オールマイトが関係なさ過ぎて逆恨みにしか見えないので総合的にしょぼく見えること。
第二に、何で手だけ残ったのかという謎です。
要するに、元々強力だった死柄木の個性が何らかの影響で弱体化してたのが今になって戻りつつある。という事なのでしょうが、
制御不能で今より遥かに強力だった崩壊で何で手だけ残るの?ってことになりません?
例えば、父からの暴力が日常的に行われていて、自分を害する存在として「手」が印象に残ってたので無意識に…というのもなかったですよね?
だから、いまいち関心も出来ないし心も動きませんでした。
この過去回想には他にも言いたいことは沢山ありますよ。
AFOから守る為に…ってことなのに名字を変えてないって杜撰過ぎない?とか
華ちゃんを崩壊させたとき、結構な距離があったのに一瞬で間合いを詰めてたからワープしたようにしか見えない。とか
そういうのはまだありますがここまでにしておきます。

ご都合主義
今回はいくらなんでもご都合的すぎる展開が多すぎる気がしました。
読んだ人に聞きたいのですが
「一人一人が強く、敵の能力分析を行えるほどの組織力を持つ解放軍が、触れられたら即死の敵に無策で集団突撃し、
偶然に対集団向けに能力強化された死柄木に一掃される」
「大怪我を負った瀕死のトガが、11万もの人員と監視カメラが張り巡らされた都市で、誰にも見つからず、血の痕跡も残さず倉庫に潜り込み、
それを敵より先にトゥワイスが見つける」
こんなご都合主義的展開を何重にも重ねないと成立しないようなものを見せられて「連合負けるかも…」とか思う人っています?
他にも、ギガントマキアの描写なんかも相当ですよね。
どうやって死柄木の位置を探ってるのかも分からないし、移動手段なんかも謎ですよね。
あの泥みたいなエフェクトが見えないという事は自力で移動してきたのでしようが、どうやって?って感じなんですよね。
地上を移動したらヒーローや警察に見つかるし、地下を移動するにしても、地下って空洞じゃなく水道管なりのインフラが存在してるから誰にも気付かれずは無理ですよね?
そもそも、新潟の山奥から愛知って高速バスや新幹線とか飛行機の距離だと思うのですが、10~20分ぐらいで移動したようにしか見えないですよね?
高速移動が出来るのかもしれませんが、彼と手合わせをしてた死柄木は「動きはすっトロい」と言っていたので矛盾しますよね?
仮に手合わせの時点では手加減をしていたとしても、所謂舐めプされてて勝てなかったのか感が強まるのでどうかという感じです。

本気
私は、散々この漫画を酷評してきた訳ですが、今回はただ一つ、全面的に同意できる台詞がありました。
リ・デストロの言った「本気でなければ他人の心など動かせない」実にいい言葉であり、この漫画を象徴する台詞だと思います。
この漫画からは本気が感じられないから、こんなにも私の心が動かないのだと確信することが出来ました。
自分のボスが、謎の力で宙に浮かされているという状況で、自らが爆弾になる程の覚悟を持つ狂信者が、最低でも我が身を緩衝材にして助けるみたいな行動を取らないってあると思います?
どう見ても全員浮かされてたようには見えなかったし、母数の差から全員は無理だと思うんですけど。
瀕死のトガを見つけ「唯一の居場所」だの言って絆を主張してたトゥワイスは、わざわざ敵に腕をへし折って貰うまで何をしましたか?
何が言いたいのかというと
全体的な展開が「キャラの選択や能動的な行動による展開」ではなく「自動的かつ受動的な展開」にしか見えないのです。
その結果、各キャラがその都度の都合よく道筋に沿って動かされているだけにしか見えず、
各キャラの一貫した行動原理や哲学が見えてこず、血が通った存在に見えない訳です。「仏作って魂入れず」といいますか…
例えば、捕らえられているトゥワイスが自分が偽物で消えるかもしれないという恐怖に怯えるが、トガを救うために自ら腕をへし折って覚悟を示す。その結果覚醒するとか
そういった描写があったなら、成長も絆も分かる訳じゃないですか。でも、実際は腕を折ってもらう最後の最後まで受け身なだけじゃないですか。
その腕を折るまでの過程にしても、何でブローカーが顧客のトラウマ情報なんて記録してたのかとか、そのデータを見てトラウマと「骨折」というラインの情報を知っていた筈なのに
何で腕を折って万が一でもトラウマを克服させるようなことをするんだ?とか、トガを殺したいのならあんな回りくどい方法よりもジョジョ5部みたいに体重掛けて首の骨を踏み折るとかもっと効率的な方法がいくらでもあるだろうとか、
そもそも、トゥワイスに言う事を聞かせたいのならトガは殺さずに攫うなり、目の前で拷問して脅迫するなりする方が絶対いいですよね?
ていうか、大事な仲間であるトガが死にそうという切迫した状況に際しても逆のことを言う漫才みたいなことをやってたり、誰が測るみたいな下品なギャグがあったり、
測った時点のコピーを作れるなら瀕死の状態を測る必要もなかったり、今の時点を測っちまったなら測ってない個体を呼べばいいじゃんとか
流石にガバガバ過ぎません?
これの何処に「本気」が感じられるんですか?
一貫してないでいうなら、前巻で「すべて壊す。だけど仲間の大事なものは別」といっていた死柄木が
「誰が(仲間が)居ようとビルを壊す。俺ならそうする」とかやってるんですよ。大事なのか殺すのも厭わないのかどっちだよって話ですよね。
あと、これを言ったら終わりだと思うんですが、トゥワイスはその場にいない人物のコピーも作れるんですよね?
なら、義爛助ける問題も、トガ瀕死問題も、黒霧のコピー出せば全部解決しません?詳細なデータといっても必要な情報は身長程度しか必要なさそうですし
何故作らないの?って感じ何ですよね?
その、本気で〇〇したいなら何で××しないの?というのは作品全体に言えることで、
本気で死柄木を倒したいのなら、死柄木だと対応が難しい遠距離攻撃持ちで囲む、氷使いをぶつけるとか
トゥワイスは前述の通り、骨を折らないよう気を付けつつトラウマを刺激しながら抑え込んで脅迫とか
荼毘には耐熱とか防火素材で作った人形をぶつけるとか
合理的な方法がいくらでもあるのに、しないし、理由も特にない
幹部が前線に出て犬死とかは、そういう不自然さに作者も自覚があって作中でも触れてみるけど、不自然さを解消せずに触れるだけみたいな
そんなんで本気は感じないし、心なんか動く訳ないんですよ。
後、こんな小学生でもわかるような事を突っ込むのもアレだと思うんですけど、あの女幹部の個性説明ってなんとかならなかったんですかね?
他のレビュアーの方も触れていたのですが、起爆装置そのものは爆弾でもなんでもないので、何を起爆装置に変化させたところで爆発なんかする訳ないと思うんですよ。
邪推ですけど、この頓珍漢な個性説明や前述のトガ既に測ってるだろ問題の不自然な感じは、恐らく本誌から引き継いでますよね?
なんでブラッシュアップしないの?って感じるんですよね。
表紙とか人物紹介やカバー裏イラストみたいな小ネタより拘るべきところは沢山あるでしょうに。
かつて、OFA1000000%が分かり辛いと話題になったとき、
作者は「もっと皆さんにわかりやすく、明朗快活、楽しい漫画になるように鍛えます」と宣言してるのにも関わらずこの体たらくですよ?
絵だけでなく話を作るのも本業だろうに杜撰な部分が多く、巻数が進むほど寧ろ解り辛くなっている気がして
正直、不誠実だと思います。
展開の杜撰さはこの際置いておいても、地雷だの起爆装置だのなんかは辞書を引くなりネットで調べるなりすれば済む話です。
これで飯を食っているプロなら、それくらいはきちんと違和感なくやってほしいものですよ。
いい加減、作り手側の『本気』を見てみたいところです。

大分長くなってしまいましたがまだまだ言いたいことはありますよ。
11万対6という圧倒的な数差でも一人も連合に死者が出ないから忖度や接待されてるようにしか見えないとか
解放軍は自分たちのホームに招くなら、あらかじめトラップを仕掛けたりしなかったの?とか
個性の強さが地位の高さに直結する解放軍で、体内での爆発でも女子高生一人仕留めきれない程度の能力しかない気月が幹部っておかしくない?とか
トガのあの顔はどう見たって人形の様には見えないとか
体内で爆発して少なくとも血管や内臓が傷ついている筈なのに輸血でどうにかなるの?とか
ダメージ受けたら泥状になるコピーの血の輸血ってどうなの?とか
そもそも骨折どころではない瀕死状態のコピーを出すのは有りなの?とか
扇動なんて能力を持っている人間が政治家になれる世界って…とか
結局、ギガントマキアを早く起こして甘やかすのか…とか
ゲーム用語を使いまくる若者とそれが理解できない大人というネタをやりたいのだろうが、
ゲームをしなさそうなキャラやオールマイトでさえゲームスラングを多用していたので成立してないぞ。とか
トラウマ克服で無限にコピーを作れるようになった今、ギガントマキアに解放軍を残しておく必要性無くない?とか
書き分けが出来てないので、手が女性や子供や老人でも差が分からないとか
ホークスの話挟む必要性とか、プロ編終盤では明らかに信頼関係を結べているようには見えなかったのに何時の間に意気投合したの?とか
ヒーローが居ないから市民が戦うという事を大義にしたい筈なのにヒーローが交通整理なんかしてたら不自然だろ!とか
「個性の母」とやらの寓話を引き合いに出しておいて「異能」の解放を掲げてるっておかしくない?とか
ぶっちゃけ、今のヴィランVSヴィランより少し前の模擬戦の方が戦闘が派手だし殺意が高かった。とか
まだまだ突っ込みたいところはありますが、キリがないのでこの辺にしておきます。
次回こそ作り手側の本気が見れることを祈りつつ、そういやまだまだ過去回想してないキャラいるな…と気が滅入りつつ次巻に期待です。
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