カスタマーレビュー

2010年7月19日に日本でレビュー済み
日常の出来事に、現実的に起こりうる、ほんの少しの波風、
あるいは少し強めの波風がたったとき、そこに生きる人は、どう動くのか。
そういう切り口を得意とする(と私は捉えている)著者の、
女性を主人公とした作品群です。

登場人物が発する言葉は、いつもの著者の持ち味そのままです。
時に直接的に、時に間接的に、事の本質を射抜く。
それが納得いくものであっても、いかないものであっても、
主人公は動き、周りも動く。
それこそがドラマであり、よって見事に物語が成立しています。
読者にとって、本書が著者へのファーストコンタクトであったなら、
ヒューマンドラマの、ひとつの良作のかたちだと受け止められるでしょう。

さて、それでは、著者の他の作品群を読み続けた人が本書を読み、
新たな感銘を受けるかというと、果たしてどうでしょうか。

他の本を読み、すぐさまこの本に飛びついた人ならば良いでしょう。
しかし他の本を読み、感銘を受け、自身の中で反復し、
その上で本書を読んでみると、そこには著者のらしさを見受けるものの、
新たな感銘を受けることは難しいのではないかと考えます。

それは好きなアーティストの曲を聴き続ける難しさにも似ています。
デビューアルバムやヒット曲が気に入って聴き始めたとしても、
ずっと好きで居続けることの難しさ。

つまりは、作品ごとの「テーマ」が、本質的に近いのでしょう。
むろん作品の発端と結末は、それぞれ全て違う。
しかし群として見た時、全体に同じだと括ってしまえるように思うのです。
デジャヴにも似ています。

とはいえ、著者に触れる最初の一冊であるならば、良い本であるとは思います。
著者の才能の、ひとつの切り口、発露としては、十分に”あり”でしょう。
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