カスタマーレビュー

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2021年2月12日に日本でレビュー済み
九巻の書評にて苦言を呈した某でござるが、
この十巻では打って変わって大満足の最高評価を差し上げとうございまする。

世に云う上杉謙信公と武田信玄公の川中島の合戦は、五回無いし六回行われたと言われておりまするが、本作では、九巻の時点で漸く第二回の合戦が描かれたことから、この話は何巻まで続くのだろうか、と、正直なところ少しの不安と軽い眩暈に似たものを感じましてございまする。
しかし、十巻を手にして仰天!なんと、本巻が最終巻!これには意表を突かれてござる。
第三次川中島の決戦は、睨み合いで終わっているので、という理由ですっ飛ばすという豪快さ。
その分、第四次は、作者殿が古戦場の現地取材で実感した思いや、作者殿なりの解釈を織り込みつつ、しかと描かれており、読み応え十分。
作者氏が女性であり、男女の恋愛描写を好まれていることから、近年の日本放送協会の大河のように、合戦描写はサラッと流してしまうことも予想していたため、こうした展開は拙者にとって意外性もあり、却って大いに盛り上がり申した。
また、過去の書評にて甲冑の描き込みにも苦言を呈した拙者で御座るが、その点もかなり改善されており、違和感はだいぶ少なくなっていたのも良し。
その辺の事情も、巻末のおまけ漫画に面白おかしく描かれており、それもまた本巻の楽しみのひとつ。

ところで、これは全く批判や苦言の類では無いのでござるが、作者殿は黒沢明監督の「影武者」もご覧になっておりまするな。
20ページの宗謙のセリフは、そうと取れるものがあり、あの映画が好きで何度か繰り返して観ている拙者にはすぐにピンときて、そして心くすぐられるものがありました。
たしか、名優大滝秀治氏が演じた山形昌景のセリフだったと記憶致しまする。
もっとも、アドバイザーが存在しており、その方が某同様『武田びいき』という事なので、
作者氏ではなく、その方の進言によりこのセリフが採用されたのかも知れませぬが。
(信玄だけに進言・・・プ)

晩年、虎様が信長の軍勢を余裕でコテンパンにする戦がありますが、それが描かれなかったのは唯一残念。
今後、読み切りか何かで、虎様の鬼神の如き活躍が描かれることを期待致しまする。

その時々で一喜一憂させられながらも
六年間の長きにわたり楽しめたのは動かしがたい事実。
作者殿には感謝の気持ちすら湧きまする。
心より御礼申し上げまする。良い時間をありがとうございました。
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5つ星のうち4.5
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