カスタマーレビュー

2018年10月4日に日本でレビュー済み
田中芳樹原作、藤崎竜漫画『銀河英雄伝説 6』(ヤングジャンプコミックス)はレグニッツア上空遭遇戦、第四次ティアマト会戦と続き、アスターテ会戦が始まる。フジリュー版銀英伝と受け入れられた本作品も原作本編に追いついた。表紙はラインハルトとキルヒアイスが描かれる。

ヤンは歌を歌うなど不真面目で、やる気のないキャラクターに磨きをかけている。昭和の頑張ります精神とは対極的なヒーローを十全に描く。流石は週刊少年ジャンプ連載作品『封神演義』で怠惰なヒーロー太公望を描いた漫画家である。

レグニッツア上空遭遇戦は石黒昇版アニメではヤンの乗艦にはアッテンボローが同乗していた。アッテンボローの強引な行動で危機を脱する。これに対して本作品ではラップが同乗する。ラップが上官の性格を読んだ巧みな意見具申が採用されて危機を脱する。

石黒版アニメは非現実的である。本作品の方が現実的であるが、優等生的な解決策である。要領のよい人物が成功するという話になり、物語としては面白みに欠ける。この比較では本作品の評価が下がるが、本作品には続きがある。アスターテ会戦でラップは真面目に意見具申して悲惨な目に遭う。後の査問会にも通じる自由惑星同盟の陰湿な体質が描かれる。旧日本軍のような精神論の世界であり、優等生的な正攻法は通用しない。

本作品ではビッテンフェルトが脳筋的な快男児ではなく、根暗な外見の陰影のあるキャラクターとして描かれる。これは面白い。ラインハルトの艦隊から外され、ロイエンタールやミッターマイヤーと一緒にヤケ酒を飲むが、レモンサワーという軟派な酒である。何となく可愛らしい。

ビッテンフェルトの代わりにファーレンハイトがワイルド過ぎる。石黒版アニメのファー様と腐女子が呼びたくなる雰囲気ではない。斜に構えたところがない点が残念である。アッテンボローもワイルド過ぎる。革命家という雰囲気には合っているが、一方でアッテンボローにはジャーナリストの息子という知性派の側面もある。そこが出ていない。

メルカッツは頑固一徹職人とされる。石黒版アニメは眠そうにしていた。これは真面目な優等生とは異なる要素であり、意外とヤンファミリーの空気と合っていた。本作品ではヤンファミリーとの相性がどうなるか気になるところである。
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5つ星のうち4.7
星5つ中の4.7
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