カスタマーレビュー

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2019年3月22日に日本でレビュー済み
1巻は序章といった感じで、騒動がありつつも、この物語の世界観を紹介するような
緩やかな感じでしたが、2巻では、新しいものが次々に登場し、あれよあれよという
間に、物語に引き込まれていきます。
特に「あれは何だろう?」と深く考える間を与えず、次々と畳み掛けてくる感じは、
ベテラン柔道選手と組手争いをしているような印象すら受けます。
今のように情報源が少なく、友人からの情報か、せいぜい雑誌の特集記事くらいしか
情報ソースの無かった頃の新作ロールプレイングゲームの序盤のようです。
行動できる狭い範囲の中にも、あちこちに秘密っぽいものが散りばめられている。
でも『今はわからない』、そのワクワクした感じが楽しめます。

今回、冒頭から、キリコの中に居る『弟』の話題となりますが、描かれているのは、
状況的なものばかりで、詳しい経緯は分かるんですが、ああ、なるほど、と納得する
ような話ではありません。
結果、むしろ、謎が深まり、今やこの先の行動に繋がります。
一方で、壁に囲まれた施設の胡散臭さは、多くの人が感じていたところでしょうが、
その多くの人が想像していたであろうレベルを超える胡散臭さが、随所に描かれます。
また、その土台となる胡散臭さとは別に、子供たちに変化が生まれてきています。
子供らが感じている感情の変化を、何となく我々は知っていますが、その甘酢っぺぇ
感じと変化も面白く描かれています。

簡単に人が喰い殺されるのに、なぜだか、ドタバタ喜劇にも見える緊張感のなさも
この物語の魅力ですが、交互に描かれる壁の中と外の世界は、いくつかの『鍵』が
示されているものの、まだ、直接交わってはいません。
あからさまな伏線らしき落とし物が大量に落ちている作品を嫌う人もありますが、
その辺りは、好みの問題。
個人的には、SFとミステリー、どちらからでも楽しめる小気味良さが良いです。
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商品の詳細

5つ星のうち4.6
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