カスタマーレビュー

2018年10月11日に日本でレビュー済み
『それでも町は廻っている』で知られる石黒正数氏の最新作。

子どもを育てるためだけの閉鎖的な世界と崩壊した東京における物語が、並行して進む構成になっている。描き方は説明的でなく、謎が徐々に明らかになっていくため、ミステリー的。他方、怪物との戦闘もあり、アドベンチャー的でもある。残酷な描写もあるシリアスな物語だが、冗談を織り交ぜつつ、暗くはない。

グロさえ問題なければ広くお勧めできるが、「こういうものを読みたい」と先入観が固まっている方の中には、肩透かしを喰らう人もいるかも知れない。

謎は多いが、何となく話の輪郭は掴める感はある。子どものための世界へ侵入する人物はトキオに似ているとあるから、崩壊した東京のマルがその人物なのだろう。とすれば、この二つの世界は同時代だ。崩壊した東京には怪物が出現し、子どものための世界が閉鎖されていることから、大人によって一部の子どもたちが怪物から守られているのだろう。子どもたちは驚異的な運動神経を持っているから、成長すれば怪物を倒し得るのかも知れない。マルは薬を天国に届けることを使命にしている一方、子どもの一部やマルの保護者に当たる人物が発疹を起こしていることから、薬がなければ成長する前に命を落としてしまうのかも知れない。とすると、大枠としては、マルが薬をトキオに届けて、成長したトキオの力で怪物の親玉を倒し、世界を救うという感じだろうか。
この推論は1巻を読んでのものなので、全く異なる展開になるかも知れないし、私も想像を裏切られることを期待するが、このくらいは考えられるので、読んで全く意味が分からない話というわけではない。むしろいろいろ想像するのを楽しむ作品だろう。

率直に面白かった。次巻も読みたい。
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5つ星のうち4.4
星5つ中の4.4
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