カスタマーレビュー

2018年9月1日に日本でレビュー済み
『BLAME!』『少女終末旅行』などに見られる、閉鎖された迷宮のような階層世界で、特殊部隊の元兵士である主人公ノオトが、復讐のために敵の器官を取り込んで得た制限付きの力で、人統軍兵士が手も足も出ない機械兵《アフレイド》相手に無双する――「チート」「俺Tuee」要素がしっかり効いた未来SF作品。封印された扉が開いて出てきた「人間になりたい」という願いを持つ奇妙な少女型アフレイド〈イドアリス〉との出会いをきっかけに、ノオトはしばらく離れていた戦場へと復帰していく。
作中に出てくる万能エネルギー物質《リバシオ電池》とか、人の技術では傷一つつけられないはずの扉を切り開くことができる《ダーインスレイブ》などの様々なアイテムに作者のロマンチシズムを感じる。
この作品のメインの題材は復讐であるが、ストーリーは重すぎず、《エデン》によって「何時」「誰が」「どのように」封印されるのかわからないという緊迫感も手伝って、読んでいてページをめくる手が重くなるようなことはない。むしろ、主人公ノオトとイドアリスのチート能力が、イイ感じに困難を打ち破っていくので、確かな読みごたえを感じた。展開は二転三転して飽きないし、最後もハッピーエンドで読後感も良い。精神的な危うさを持つ主人公を、無邪気で強かなイドアリスがいざとなれば引っ張り上げる――そんな二人のやりとりが、この作品の癒しになっている。
あと、本当に計算が不得意なのかはともかく、エリンゼのキャラ付けがなかなかいい。ノオトに「友達になってほしい」と恥ずかし気に申し出る彼女の初々しい姿にトキメいてしまった。
ただ最後1つだけ……さすがに死んだ人の時間を遡って生き返らせるのは、安易な展開ではないだろうか。それをしてしまうと、何でもアリになってしまう気がする。なので、そこはうまいこと納得のいく展開を考えてほしかった。
総合的にみて、甘い部分はあるものの、第3回集英社ライトノベル新人賞〈優秀賞〉としての妥当性を感じた。
作者の今後の活躍に期待する。
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