カスタマーレビュー

2015年11月9日に日本でレビュー済み
全寮制、名門私立双星館学園に編入して来た氷室 良は、その初日に薔薇園の木陰で転寝をする神澤 伯王に偶然出会います。
双星館学園には家柄と財力のある者のみが通えるLord&Ladyクラス「Lクラス」と1学年に1クラスのみ、完全実力主義のエリート集団、執事養成Butierクラス「Bクラス」があり「Bクラス」は燕尾服にフロックコートを制服として着用。在学中に財閥の生徒と繋がりを持てる学園構成はよく出来ていると思います。
両親を事故で亡くし、古くからの名家の祖父母に引き取られた経緯で「Lクラス」に編入した良はかなり浮いた存在。逆に伯王は神澤グループの御曹司超エリート。卒業後は後継者として父の跡を継ぐ事が決まっていおり、自分の実力を試してみたくて敢えて「Bクラス」に在籍している。
良が伯王と親しくすることをクラスメイトに不相応と詰られ、結局それがきっかけとなり二人は執事の専属契約を交わすことに。

学園生活は何もかもが桁違い。
定期テストや体育祭のような行事がかろうじて高校生らしさを感じさせますが、豪華な校舎内、授業に執事がお茶を入れるティータイムあり、ドレスコード付き社交ダンスパーティーあり。まるで中世宮殿のお話しのよう。なぜ現代の日本の高校生の設定に拘ったのか疑問。
恋愛も何度となく伯王の態度や行動に良への特別な想いが見られるのに、執事と主人という立場がかえって仇になり、告白までにかなり時間がかかってしまいます。それまで年間行事に従ったエピソードや読み切りな話しが続きますが、二人の気持ちが通じ合ってからは展開が一変します。

神崎グループの後継者として伯王が背負う責任と重み。それ以上に失いたくない良の笑顔。一緒にいる未来を現実にする為にはどうすれば良いのか。グループにとって力となる相手を選んだ縁談話が進められる。誰も納得するメリットなどなくても良でなければ手に入らないものがある。一緒にいる。離さない。笑っていてくれるようにどんな努力でもする。全てを尽くして良の幸せを守ると誓う。
自分よりも相手の事ばかり優先する良の前向きな想いと、決断したら折れることのない伯王の強い意志で懸命に模索する二人。側で応援する人達に助けられながらひとつひとつ問題を乗り越えて行こうとしますが、相手を想い過ぎる余りの身を切る決断はオー・ヘンリーの「賢者の贈り物」を思わせる切なさです。

絵も大変丁寧で読み易く、カラー扉絵の美しさが一際目を惹きます。全てが溜息の出るような絢爛豪華な別世界。卒業までの2年数ヶ月で21巻にもなる大作。ラストはこれでもまだ足りないくらいです。最終巻まで読み終えたらこの空間から離れるのが名残惜しくなります。
ふたりの恋愛に派手さや激しい熱さはありませんが、相手に対する思いやりや優しさ温もりが全編に溢れて心の奥まで届きます。貫いた想いが最後に変えるものを見届けてください。
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商品の詳細

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