カスタマーレビュー

2018年1月3日に日本でレビュー済み
さいとうちほ『とりかえ・ばや 2』(フラワーコミックスアルファ)は睡蓮にも動きがある。姉と同じく自らの性とは違う役割で社会に出て行く。睡蓮に気になる人ができる。相手に尽くすというジェンダー観点での女性的なものである。沙羅双樹は右大臣家の四の姫と結婚する。こちらは自分がリードする点で男性的である。

石蕗(つわぶき)の宰相は想いを寄せていた睡蓮に強引に対面したが、恋のトキメキを感じなかった。逆に男性と思っている沙羅双樹にトキメキを覚えた。石蕗の直感は正しいが、真相を知らないために自分の気持ちに戸惑う。戸惑うあまり、実験するシーンは笑ってしまった。変態的とも評される作品ならではのものである。

第2巻の終わりで石蕗の宰相は道義的には危険な方向に進む。しかし、最初から懸想していた相手であり、むしろ正しいと言える。恋愛物は、あの人とあの人が結ばれたらハッピーなのにと感じることがある。本書も同じである。

この巻では帝が退位し、東宮が即位する。代わって女一の宮が東宮になる。女性の東宮は現実の歴史では聞いたことがない。『とりかへばや物語』は主人公二人だけでなく、物語世界自体がジェンダーにとらわれていない。
違反を報告 常設リンク

商品の詳細

5つ星のうち4.6
星5つ中の4.6
33 件のグローバル評価