カスタマーレビュー

2007年11月15日に日本でレビュー済み
このマンガは、一体、どのくらいの年代の読者を対象にして書かれたのでしょうか?
中・高校生向けとして書かれたのなら、こういう描き方になってもしかたないかなとは思うのですが。
この漫画では、なんだか、まるで二条が受身一方で、ただただ男性達に翻弄されているだけの女性に
見えてしまいます。私は、とても二条はそんなタイプの女性ではないと思うのですが。
もっとしたたかで、恋の駆け引きにも長けていたように思えます。
西園寺実兼の子を後深草院の子として出産日を偽るなど、彼女のしている事はかなり計算ずくかつ大胆だと思うのですが。このマンガでは、実兼の人物像も、いまいちよくわからない感じだし。
それに、彼女は後深草院の異母妹の前斎宮の事を「衣装の着こなしがダサイ」とか「後深草院に対して、もっと抵抗すればよかったのに」などと日記に書いているような女性ですよ。
二条の日記からは、全く、彼女に対しての、前斎宮としての尊敬も、内親王としての尊敬も感じられません。
後深草院の母方の叔母で、一番最初の妻である東二条院から嫌われて、御所を追い出されているくらいですし。後深草院でさえ、かばいきれなかった様子を見ると、よっぽどの、誰から見ても明らかに、問題のある性格で、人々の目に余るふるまいがあったのではないでしょうか? これに関しては、後深草院にもかなり責任があるとは思いますが。(後深草院の妻達にいじめられでもしたら、二条の性格からして、絶対に日記に書いていそうだし)

今までは二条に関しては、何も言わなかったらしい彼女が、この反応ですから。
まるで、このマンガでは東二条院の方が悪いかのような描き方ですが。
私は二条の御所追放は、東二条院のやっかみだけでは、説明がつかないような気がします。
それに、二条と男性達との恋も、どこか醒めたものを感じて、ドライな気がします。あまり情熱的な恋という感じではないです。同じく恋愛遍歴で有名な、情熱の女性和泉式部とは、明らかに違いを感じます。国文学者達や作家達も、(特に女性作家)二条は悪女という認識で悪女のヒロイン的に扱う事が多いような気がするのですが。永井路子さんとか、山崎洋子さんとか。私も、やっぱり二条は悪女だったと思います。このマンガでは、いわば二条の毒というか個性というか、本来の彼女らしさと言うものが消えてしまって、彼女の人物像がぼやけてしまっている感じで、かえって面白くなくなってしまっているような気がします。ちなみに私は初めてこのマンガを読んだのは、中学生くらいの頃でしたが、当時でもいがらしゆみこさんの二条の人物像や男性達との関係の解釈には、何か納得いかないものを感じました。今でも、それは変わっていません。今の方が、二条についてより多くの事を知ったため、さらに強い違和感を感じてしまいました。「とはずがたり」のとっかかりとしては、いいのかもしれませんが、それにしてもちょっと私から見ると、まるで二条が別人のような描かれ方で、やはり、もう少し彼女の悪女としての部分を出しても良かったのではないかと思うのですが。
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