カスタマーレビュー

2020年5月13日に日本でレビュー済み
1巻を読んで、そしてこの2巻を読み、自分はこれ以上読む必要がない、と判断したため、これをもって読むのを終わりにしたいと思います。
人物作画が相変わらず微妙で、表情と感情の起伏に乏しい登場人物達に余り魅力を感じないのですが、この漫画はその主要な登場人物たちにフォーカスした凡庸な日常ものに時計関連の薀蓄を放り込んだ作品でしか無いのだと思いました。
自分がこの漫画に期待したのはアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のような物語なのでした。このアニメは自動手記人形と呼ばれる、所謂代筆の職業に就いた少女が、手紙というかたちで「誰かの想いを人に届ける」役割を担います。その仕事を重ねていく中で、自分の中にある感情に気付き、それ以前には理解できなかった言葉の意味を理解し、そして彼女自身の想いを、ある人に届けるのです。
このアニメでは手紙が人と人の心を繋ぐ”想い”のメタファーの役割を果たしています。自分は、この漫画の”時計”にそれを期待していました。
時計とはそのまま時間の象徴であり、例えば壊れた時計はその持ち主の感情もそこで止まってしまったという暗喩になります。それを主人公が修理することで、持ち主の心の時間も一緒に動き出す、というようなドラマを期待したのです。これは割とベタな発想ですが、”時間”を題材にしたドラマは他にも色々考えられるでしょう。彼らの”時間”にまつわる問題を、冠さんが時計を修理する、というかたちで解決していきます。
オムニバス形式でそういう短編を展開しながら、同時に時計にこだわる冠さんの想い、彼女自身の”時間”についての物語を主題として持ってくれば面白いんじゃないかなあと思ったわけです。
それじゃまんまヴァイオレット・エヴァーガーデンの手紙を時計に変えただけやんけ、と突っ込まれそうですが別にいいんですよ。構成が同じでも。全然違うドラマを持ってくれば、全く違う物語になるんですから。
ところがこの漫画は全然そんな漫画じゃありませんでした。この巻の最初の話で時計の耐水性の種類に関する薀蓄が語られます。これがどう話に関わってくるのかと思ったら、全く関わってこなくて、ただ冠さんがプールに行って泳ぐだけ笑。彼女の水着という別に嬉しくないサービスカットに延々ページを割いていますが、この漫画って時計の漫画でしたよね。何をやっているんでしょうか。
この話を読んで、これはもう期待しても無理だなと確信しました。それ以降の話も読みましたが、時計という題材の話への組み込み方が自分の求めるものではありませんでした。巻の後半の大ゴマも作画の手抜きにしか見えず。

…これを読んで「作品に対して勝手な期待をしてそれが叶わなかったから否定するのは如何なものか」と思うひとも居るでしょうが、私はその期待があったからこそ本作を2巻まで購入したのであり、その代わりに描かれる日常が面白ければこの後も続けて読んだかもしれませんが、そうは思えなかったのです。
というわけで、私はこの巻で読むのを辞めますが、冠さんたちの日常を眺めるのが好きな読者も居るでしょう。その人達の為に作者さんは今後も頑張って下さい。では。
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