カスタマーレビュー

2013年6月13日に日本でレビュー済み
期待していたほどには良くなかったです。特に最初の超短文エッセイは、無理に入れる必要はなかったと思います。16年分のエッセイ収載とはいうものの、編集の段階で、これは載せるだけのクオリティには達していないと判断してカットすべきだったと思います。何よりも短かすぎる。既出の様々な文章を一冊の本にまとめる場合、一冊の本単体として面白い作品に仕上げるのか、面白さではなく記録としての資料集に仕上がることを目的として全てを収載するのか、二通りあると思うのですが、大泉さんの場合、前者であるはずです。後者は、歴史的な作家の未発表の草稿などを面白いかどうかではなく、研究者等向けに資料として提供するために、記録的な意味で収載し、一冊の本にする場合なのですから。結果的に、売れ行きを犠牲にすることもあります。だから、やはり売れ行きは大切であり、そして逆に、資料的な価値は求める必要がない大泉洋さんのエッセイの場合、面白さを大切にしなければならないのだから、こんな風に全部収載しました、ではなく、厳選して収載しました、というスタンスが必要だったと思います。結果、今回の書籍化に際し、現在の大泉洋さんが追加として書いた後半のエッセイのみが、まとまりがあって面白かったという本になってしまいました。更には、前半は何だかよく分からないという結果にもなってしまいました。そのため読み手は、読後、面白くなかったような面白かったような微妙な気分に陥ってしまいます。例えば、音楽でも、好きなアーティストの『未発表曲も含め全曲収録2枚組みフルベストアルバム』と銘打たれたCDを買って、いざ聴いてみたら、不必要な曲が多すぎて、結局、長尺なだけに終わってしまったというのと同じ感じです。だったら、「いい曲だけセレクトして、1枚のCDに凝縮してくれた方が良かったのに。その方が値段も安かったし、何より聴き応えがあったから」と2枚組みフルベストアルバムを聴いた後、全て収録されているが故に、かえって、損をした気分になるという微妙さと同じ気分をこの本の読後、味わいました。
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