カスタマーレビュー

ベスト1000レビュアー
2020年9月12日に日本でレビュー済み
多分なんですが、169ページあるの嘘だと思うんですよね。息吸った瞬間読み終わったので多分2ページしかないです。多分ですが。
ピカピカのネオンが反射する雨の中、黒塗り車(くろぬりぐるま)の前で傘を差しだすヤクザと少年っていう絵面、5回死んでも思いつかん。
この表紙好きすぎるから死ぬときに見る走馬灯全部これにしてほしい。

和山先生が描く世界には、なぜかどうしても惹きつけられてハマってしまう魅力があります。
言葉選び、コマの流れ、キャラクターの仕草や表現、笑わせてくるネタ、すべてが絶妙に合わさって私の癖をくすぐってくる。
この完成された和山ワールドが、好きな人にはめちゃくちゃに堪らないのだと思います。
組長が仕切るカラオケ大会で、高得点を出すべく合唱部部長の中学生聡実に教えを乞うヤクザ、狂児。
名前からしてやべーぜと思ったんですがそこについての話も描きおろしで回収してくれてまたそれが面白くて、すごくてなんかもうちょっと引いてる。
和山先生はもしかして手を口元にあてる描写がお好きなのでしょうか私はお好きです。かっこよさが10割増す。
あと聡実君かわいい。でけぇ眼鏡と黒髪。泣き顔。おびえる顔。泣き顔。お人好しででもちゃんと意見は言う。ヤクザに囲まれて狂児にしがみついてる姿を私は一生忘れません。これはかわいいの暴力。
声変わりに人知れず悩む様子や、家族もおもしろく描かれていて、この作品に味わい深さを増してくれています。
それから死ぬまで語り継ぎたいシーンは、ヤクザに絡まれた聡実君を助ける狂児が救世主すぎてぜひ私も助けてもらいたすぎたところです。返り血が飛んでくるのを手で防がれてみたい。これは私の指全部を捧げる覚悟です。

聡実君の独白から始まり、そのモノローグは節目節目に挟まれているのですが、最後こういう風に活かされるのかと改めて手腕に感動。
ラストもワクワクするいい締め方でした。本当に素晴らしい作家さん、作品に出合えたことに感謝しかありません。
しかしサブスクで「紅」を検索して聴く日が来るとは。名曲でした。
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