カスタマーレビュー

2012年1月8日に日本でレビュー済み
ハードSF小説の最高傑作である、J.P.ホーガンの「星を継ぐもの」を原作として漫画化したものである。最も近い天体なのに、永く手が届かなかった月。そこで5万年前から待っていた、あるはずの無い「人類の死体」。失われた惑星と、100万年前に墜落した「巨人」の宇宙船。事実が浮かび上がるごとにさらに深まる謎。全ての矛盾が解消されたとき、突きつけられる我々自身の出生の秘密。ストーリーは原作から大胆に組み替えられているが、SFの宿命である、年月による現実世界の科学の進歩との乖離(原作は1977年)や、その後発表された「ガニメデの優しい巨人」、「巨人たちの星」までを通したストーリーの整合性を考慮し、原作の世界観が損なわれないように、さらに、星野之宣氏の絵が映える構成を考えた結果であると思われる。変更に伴って端折られたエピソードに魅力を感じていた読者には残念な部分もあると思うが、結果的としてとても読みやすく、楽しめる作品になっている。判りやすくなりすぎて、何度かあるどんでん返しの衝撃が薄くなったのは否めないが、一方で、原作中の細かな描写が見事に絵で表現されていて、気がつくと感激する。読み返すごとに新たな発見があり、原作を愛する人にこそ読んでほしい。原作における最大の魅力である最後のどんでん返しは次巻以降に持ち越されたが、どのように描かれるのか楽しみである。
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5つ星のうち4.4
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