おそらく最後の新譜になるであろう、いずこねこ6枚目のシングル。
トレードマークの変拍子とマリンバのシーケンス、極端に中高域に偏ったアレンジ、低音スカスカな音質。サクライケンタさんのサウンドは、アイドルポップスどころか、凡百のロックバンドが裸足で逃げ出すレベルの異形さ。いずこねこ(茉里さん)の物憂げなヴォーカルもあいまって、作り上げられた世界は、まさに「BluE」。一人の女の子の明るさの裏側にある淡く、おぼろげなトーンに包まれた心象風景。「e.c.l.s」のザラついたギターは、夕立ち前の陽炎のよう。いつか思い出す、あの夏への郷愁を強く感じさせる好盤です。
終わってしまうのは分かっていても、やっぱり寂しい。このシングルを聴くたびに、いずこねこという巡り合わせの奇跡を思うのでしょうか。あくまで未完ゆえに美しかった曲たちを思い、星4つ!