あとがきに書かれた作者の言葉“書くことが考えを生み、考えが言葉をさがす”。動的平衡は作者が生き物とは何かを考え続けた末に辿り着いた言葉であろう。作者がTVで、この言葉を流行らせ流行語大賞をとりたいと冗談交じりに言ってるのを聞いたことがある。その言葉に興味を持ちズバリ本書を読めば、概念が明確になるだろうと期待したが依然として曖昧のままだ。
読手の理解力不足もあるだろうが、老生には、作者の生き物に対する思い、その成り立ちの言葉には尽くせない精妙さと危いバランス、片や、その生き物を究め扱おうとする環境の傲慢、無神経さを見るに見かねた作者が生き物から環境を遠ざけるキーワードとして動的平衡を提唱してるように思える。動的平衡という見掛け科学用語の体をとりながら、概念自体は作者の様々な思いが詰まった文学的説明になってるので、曖昧と感ずるのではないかと思う。あるいは、作者にとっても、まだ、曖昧さが残る未完のテーマなのかも・・。
余談であるが、作者のドクター福岡は、現在、青山学院大学総合文化政策学部教授である。当節、こんな見方は古いが、世俗的に言えば、理科系から文化系への転身だ。実は、老生、ドクター福岡に科学者としてより文学者としての魅力を強く感ずる。何の根拠もないが、近い将来、ノーベル文学賞候補になるような気さえしてる次第である。
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動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか (Japanese) Tankobon Hardcover – February 17, 2009
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福岡 伸一
(著)
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福岡 伸一
(著)
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Print length256 pages
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LanguageJapanese
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Publisher木楽舎
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Publication dateFebruary 17, 2009
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ISBN-104863240120
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ISBN-13978-4863240124
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Product description
内容(「BOOK」データベースより)
生命とは、絶え間ない流れの中にある動的なものである。読んだら世界がちがってみえる。哲学する分子生物学者が問う「命の不思議」。今まで体験したことのないサイエンス・ストーリー。
レビュー
生命現象の核心を解くキーワード、それは<動的平衡> (dynamic equilibrium ダイナミック・イクイリブリアム)。
私たちは、自分は自分だ、自分の身体は自分のものだ、という風に、確固たる自己の存在を信じているけれど、それは実は、思うほど確実なものではない。私たちの身体は、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸などの分子で構成されている。しかし、それら分子はそこにずっととどまっているのでもなければ、固定されたものでもない。分子は絶え間なく動いている。間断なく分解と合成を繰り返している。休みなく出入りしている。実体としての物質はそこにはない。一年前の私と今日の私は分子的にいうと全くの別物である。そして現在もなお入れ替わり続けている。
つまり、私たちの身体は分子の「淀み」でしかない。それも、ほんの一瞬の。私たちの生命は、分子の流れの中にこそある。とまることなく流れつつ、あやういバランスの上にある。それが生命であり、そのあり方を言い表す言葉が、本書のタイトル、<動的平衡>である。本書は、最初から最後まで、<動的平衡>とは一体何なのか、どのように成り立ち、いかにふるまうかを考えた本である。
爪や皮膚、髪の毛であれば、絶えず置き換わっていることが実感できる。しかし私たちの全身の細胞のそのすべてで置き換わりが起きている。固い骨や歯のような部位でもその内部は動的平衡状態である。お腹の回りの脂肪も、たえず運び出され、たえず蓄えられている。分裂しないはずの脳細胞でもその中身やDNAは作り替えられる。
なぜそれほどまでに、あえどのない自転車操業のような営みを繰り返さねばならないのか。それは、絶え間なく壊すことしか、損なわれないようにする方法がないからである。生命は、そのようなありかたとふるまいかたを選びとった。それが動的平衡である。
生命は、必死に自転車をこいでいる。追手から逃れるために。追手は生命をとらえて、その秩序を壊そうとたくらむ。温かな血潮を冷まそうとする。循環を止めようとする。追手の名は、エントロピー増大の法則。輝けるものはいつか錆び、支柱や梁はいずれ朽ち果てる。いかなる情熱もやがては消え、整理整頓された机の上もすぐに本や書類が積みあがる。乱雑さ(エントロピー)が増える方向に時間は流れ、時間の流れは乱雑さが増える方向に進む。生命も、この宇宙の大原則から免れることはできない。しかし、エントロピー増大の法則に先回りして自らをあえて壊し、そして作り変えるという自転車操業を続ける限りにおいて、生物はその生命を維持することができる。私たちの身体において、たゆまず、けなげに自転車をこぎつづけているもの、それが動的平衡である。
あなたは本書を読み終わった後、季節の移ろいを感じ、高い空を見上げ、いろんな思いを巡らせることだろう。あるいは、たくさんの友達と会話することだろう。その時々に、こう言ってほしい。「ああそれはね、動的平衡だよ」と。
著者 福岡伸一 --著者からのコメント
私たちは、自分は自分だ、自分の身体は自分のものだ、という風に、確固たる自己の存在を信じているけれど、それは実は、思うほど確実なものではない。私たちの身体は、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸などの分子で構成されている。しかし、それら分子はそこにずっととどまっているのでもなければ、固定されたものでもない。分子は絶え間なく動いている。間断なく分解と合成を繰り返している。休みなく出入りしている。実体としての物質はそこにはない。一年前の私と今日の私は分子的にいうと全くの別物である。そして現在もなお入れ替わり続けている。
つまり、私たちの身体は分子の「淀み」でしかない。それも、ほんの一瞬の。私たちの生命は、分子の流れの中にこそある。とまることなく流れつつ、あやういバランスの上にある。それが生命であり、そのあり方を言い表す言葉が、本書のタイトル、<動的平衡>である。本書は、最初から最後まで、<動的平衡>とは一体何なのか、どのように成り立ち、いかにふるまうかを考えた本である。
爪や皮膚、髪の毛であれば、絶えず置き換わっていることが実感できる。しかし私たちの全身の細胞のそのすべてで置き換わりが起きている。固い骨や歯のような部位でもその内部は動的平衡状態である。お腹の回りの脂肪も、たえず運び出され、たえず蓄えられている。分裂しないはずの脳細胞でもその中身やDNAは作り替えられる。
なぜそれほどまでに、あえどのない自転車操業のような営みを繰り返さねばならないのか。それは、絶え間なく壊すことしか、損なわれないようにする方法がないからである。生命は、そのようなありかたとふるまいかたを選びとった。それが動的平衡である。
生命は、必死に自転車をこいでいる。追手から逃れるために。追手は生命をとらえて、その秩序を壊そうとたくらむ。温かな血潮を冷まそうとする。循環を止めようとする。追手の名は、エントロピー増大の法則。輝けるものはいつか錆び、支柱や梁はいずれ朽ち果てる。いかなる情熱もやがては消え、整理整頓された机の上もすぐに本や書類が積みあがる。乱雑さ(エントロピー)が増える方向に時間は流れ、時間の流れは乱雑さが増える方向に進む。生命も、この宇宙の大原則から免れることはできない。しかし、エントロピー増大の法則に先回りして自らをあえて壊し、そして作り変えるという自転車操業を続ける限りにおいて、生物はその生命を維持することができる。私たちの身体において、たゆまず、けなげに自転車をこぎつづけているもの、それが動的平衡である。
あなたは本書を読み終わった後、季節の移ろいを感じ、高い空を見上げ、いろんな思いを巡らせることだろう。あるいは、たくさんの友達と会話することだろう。その時々に、こう言ってほしい。「ああそれはね、動的平衡だよ」と。
著者 福岡伸一 --著者からのコメント
著者について
分子生物学者。1959年、東京生まれ。京都大学農学部卒。米国ロックフェラー大学研究員、京都大学助教授などを経て、現在、青山学院大学理工学部化学・生命科学科教授。『プリオン説はほんとうか?』(講談社ブルーバックス)で講談社出版文化賞科学出版賞受賞。このほかに、『もう牛を食べても安心か』(文春新書)、『ロハスの思考』(ソトコト新書)などの著書がある。生命とは何かを動的平衡論から問い直した『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)は60万部のベストセラーとなり、2007年度サントリー学芸賞を受賞。女と男の関係を生物学的に考察した『できそこないの男たち』(光文社新書)も話題。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
福岡/伸一
1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ロックフェラー大学およびハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授を経て、青山学院大学理工学部教授。分子生物学専攻。専門分野で論文を発表するかたわら一般向け著作・翻訳も手がける。2006年、第1回科学ジャーナリスト賞受賞。著書に、『プリオン説はほんとうか?』(講談社ブルーバックス講談社出版文化賞科学出版賞)、『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書2007年サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ロックフェラー大学およびハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授を経て、青山学院大学理工学部教授。分子生物学専攻。専門分野で論文を発表するかたわら一般向け著作・翻訳も手がける。2006年、第1回科学ジャーナリスト賞受賞。著書に、『プリオン説はほんとうか?』(講談社ブルーバックス講談社出版文化賞科学出版賞)、『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書2007年サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Product Details
- Publisher : 木楽舎 (February 17, 2009)
- Publication date : February 17, 2009
- Language : Japanese
- Tankobon Hardcover : 256 pages
- ISBN-10 : 4863240120
- ISBN-13 : 978-4863240124
-
Amazon Bestseller:
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Reviewed in Japan on November 16, 2018
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Reviewed in Japan on September 11, 2018
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ライアル・ワトソン著の「生命潮流」が私のバイブルになって居ますが、
その次に位置する本だと思います。
「生命潮流」は40年も前の本ですが、「動的平衡」は別なバイブルになるのかも知れません。
「ヒト」を、地球上で一番上に存在する生物の様に言う人が居ますが、
こう言った本を読んで行くと、「ヒトは、それ程優れた生物では無い」ことに気が付きますよね。
実際の講義をテレビで観ました。それはそれで面白かったんですが、本の方が想像力や妄想力をかき立てられ、
ワクワクさせられます。
2以降も早く読みたくなる本です。
その次に位置する本だと思います。
「生命潮流」は40年も前の本ですが、「動的平衡」は別なバイブルになるのかも知れません。
「ヒト」を、地球上で一番上に存在する生物の様に言う人が居ますが、
こう言った本を読んで行くと、「ヒトは、それ程優れた生物では無い」ことに気が付きますよね。
実際の講義をテレビで観ました。それはそれで面白かったんですが、本の方が想像力や妄想力をかき立てられ、
ワクワクさせられます。
2以降も早く読みたくなる本です。
Reviewed in Japan on March 21, 2018
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久々にわくわくする本に出会った感じ。もっと早く読めば良かった。青バラへの批判もそうだが、終わりのほうに「アンチ・アンチ・エイジングこそエイジングと共存するもっとも賢いあり方」とあり、素晴らしい。
Reviewed in Japan on April 22, 2021
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2009年の本。生命は分子の動的平衡の淀みというのが印象的。淀んでいるのが生命。けど淀み過ぎると死んでしまう。個体として生まれては老化するけど、種としては動的平衡というのも生命なのだろう。ふと日本の歴史について考える。流れの速い戦国、明治から昭和。流れの遅い江戸、平成。目指すものがあるかないかで淀み方は変わるのだろうか。淀みを壊すには人為的な自然的な外圧的環境変化が必要なのだろうか?少し淀んでいた方が生き残れるのだろうか?生き残りに時間をかけている余裕なんてあるのだろうか?んー進化ってなんだろう。難しい。
Reviewed in Japan on July 6, 2015
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「動的平衡」という概念を用いて様々な事象について記述・考察されています。知的探究心をこれでもかというぐらい刺激してくれる良書でした。ひとつのパラダイムシフトが起こっているその瞬間を見つめているような感じです。もちろん、全てが動的平衡で説明できるわけではありません。だけど、「真実らしい境界線上にある概念」であるとも思えてなりません。
Reviewed in Japan on December 19, 2020
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本の中身も素晴らしいが、中古商品であっても想像してたよりの美品。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
Reviewed in Japan on February 24, 2018
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スポーツ栄養学を学ぶ中で「動的平衡」という言葉を知り、この本に出会いました。真新しい情報ではないですが、本質的なことをわかりやすい言葉で書いていて、栄養学の理解もより深ました。また読み返したいです。
Reviewed in Japan on December 25, 2017
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生物が遺伝子だけではなくてたんぱく質の分子レヴェルでの新陳代謝という不可逆的な時間のなかで動的に生命を形成していく存在であることが分かってよかった。