上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0ちょっと数学者に寄り過ぎかも
2019年10月8日に日本でレビュー済み
記憶力だけで名門・吉田大学(モデルは左京区吉田本町に本部を置くK大学)
に合格してしまった主人公が、大学の数学の講義において
厳密な定義を理解せずに挫折、それをいかに克服していくかという物語です。
ちょっと話の展開が遅く、
そこそこの数学好きでないと読み進めるのは難しいでしょう。
評者はK大学出身ではありませんが、
大学教養部での数学の講義の経験からすると、確かに
きちんと理解しようとするのは進級に危険を及ぼします。
出題される傾向にある問題を解けることの方が重要で、
それには数学的理解は必要ありません。
手順が暗記できれば単位は取得できます。
数学的理解を求めるのは進級してからでいいでしょう。
でも、数学科の学生はセンスの塊なので、
講義を聴いても理解できず、
過去問に頼って進級するレベルの人は
数学の道を志すことは勧められません。
変人を紹介するのに普通人の目をもってするのは
『決してマネしないでください』
でも用いられた手法ではありますが、
ちょっと視点が数学者に寄り過ぎていて、
一般人にはとっつきにくくなっています。
一般人向けに数学の内容を専門的に紹介している類書としては
『数学ガール』
の方がよほどとっつきやすい気がしました。
本書はもうちょっとバランスが練れていれば、と残念に感じました。