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森村誠一特集 2007

今回は『人間の証明』や『腐蝕の構造』などの推理小説から「悪魔の飽食」シリーズなどのノンフィクションまで、その幅広い著作で知られる作家・森村誠一氏をクローズアップ。ロングインタビューでは10月に上梓した新作『小説道場』について、そして文芸作家としては初めてとなる「なか見!検索」への著作登録についてお話を伺いました。

他にも森村氏と縁の深い方々からのメッセージ、「なか見!検索」可能な著作の一覧など、多方面から作家・森村誠一の魅力に迫ります。



【森村誠一(もりむら・せいいち)】
1933年熊谷生市生まれ。青山学院大学卒。69年『高層の死角』で江戸川乱歩賞、73年『腐蝕の構造』で日本推理作家協会賞、2004年、第7回日本ミステリー文学大賞を受賞。主な著書に『人間の証明』『悪魔の飽食』『地果て海尽きるまで 小説チンギス汗』『エンドレスピーク』など多数。





森村誠一 ロングインタビュー (全てを読む)

今回は『人間の証明』や『悪魔の飽食』など、数々のベストセラー作品を生み出し、最近では小説以外でも写真俳句などの新しい試みに今なお挑戦し続けている作家・森村誠一氏に、新刊『小説道場』、そしてAmazon.co.jpのサービス「なか見!検索」についてお話を伺った。

(インタビュアー・Amazon.co.jp)



『小説道場』は作家人生のひとつの集大成

インタビュアー(以下――) 作家になるための指南書はいろいろと刊行されていますが、新作『小説道場』は説得力が違うなと感じました。やはり作家生活40年の経験に裏打ちされた、先生の言葉には重みがあると。

森村誠一(以下森村): エリート型の作家だと『小説道場』のような作品は書かないと思うんですよ。私の場合は一度社会人としての洗礼を浴びて、それからエリートではなく、どちらかというと努力型で作家になっていったから、学生時代に脚光を浴びたタイプの作家とは全然違います。だからまあ、血煙を浴びて生きてきたという感じがありますよね。

―― 9年間ホテルマンとして働かれていて、その場所から抜け出すことをずっと考えていたと書かれていますが。

森村: そうですね。本来私は、新聞社とか出版社を狙っていたのですけど、入社試験が宝くじを当てるくらい難しいんですよ。それから普通の会社、電化製品や食料品、薬品とかは、私の頃は学校の推薦が必要だったんですね。 私は1年留年して5年間でABCDの内Aが8つしかなかったんですよ。当時は4年間でAが24以上ないと推薦対象にはならないんです。そうすると残るのはジャーナリズム系しかないんですよ。ジャーナリズム系は学校の就職課の斡旋がいらない。そのかわり受験票を見ると私は4000番ぐらいだったですね。だからこれはもう駄目だとおもいました。

それでやむを得ず、と言ったらホテルが怒るけど、ホテルが拾ってくれたんです。でも入社すると同時に、これは俺の適職じゃない、長くいる場所じゃないなと分かったんですよ。分かったんだけど段々抜けられなくなりましたね。半分は毎日自殺しているような気分でしたけど、もう半分は面白かったんですよね。

どこが面白いかと言うと、毎日の仕事が同じじゃないんです。お客が仕事ですから、お客が変わると仕事が変わる。その日暮らしの1日単位の接客ですけど、やっぱりそれなりに人間関係が出来てくる。だから、向こうは全然覚えてないけれど、梶山季之とか、阿川弘之氏、松本清張も来たし、それから笹沢佐保さんなんかもね、そういったお客から受ける文化ですね。これが大きかったですね。

―― 接客ですね。

森村: そうです。特にホテルの場合は接客時間が24時間ですから、いろいろな人間のライフパターンが見えるんです。だから同じ接客業でもデパートや劇場とかとは全然違いますね。ホテルの客は目的が不特定だし、そういう点では作家家業、作家修行には理想的な環境でしたね。 ……続きを読む




メッセージコメント
森村先生と長年親交のあるお三方が特別にコメントを寄せてくれました。


池辺晋一郎 さん

自分を「らしく」見せたがる輩は、だいたい偽物と決まっている。そこへいくと森村誠一さんは、まさに「らしくない人」。慣れきっているはずの講演の際、緊張している。恥じらっている。他方、こだわる人。一杯のコーヒーに、ラーメンに、旅の荷の1gの重さの差にこだわる。そして「総合病院のような作家でいたい」という意志を、飄々と展開してしまう。その、人間としての魅力!作品の人気の高さはそれゆえ、と僕は信じている。




片岡鶴太郎 さん

テレビ朝日系列の人気ドラマ『森村誠一サスペンス・シリーズ』で 牛尾刑事 役を演じて早くも10年が経とうとしています。  これだけ長く一つの役柄を演じさせていただけるのは幸せの一語に尽きます。まさに役者冥利です。  森村誠一先生の作品の中でも、牛尾刑事は深い人間味にあふれ、独特の味を持ったキャラクターだと思います。毎回新しい台本を手にするたびに、不思議と彼の心のうちが胸にわき出てくるのです。  これからも牛尾刑事として、新しい事件に果敢に挑み続けていきたいと思っております。  森村誠一先生とあるパーティでお会いして、先生の句集とともにお手紙も頂戴いたしました。その繊細なお心遣いに恐縮と敬服いたしておりました。




村上弘明 さん

人には生きてゆく上で、その後の方向性を決定ずける、大きな分岐点が何度かあると思います。私にとってのそれは森村先生原作の『大忠臣蔵』という番組でした。私の役は吉良の付人の山吉新八郎。ドラマは、この山吉新八郎側からの視点で描かれてゆくという、大変斬新な企画でした。これが私にとって時代劇の方向性を決めた、大きな分岐点とも言える作品だったと思います。それから20年先生とは2度目となる時代劇、刺客請負人へと至る訳ですが、松葉刑部という主人公が、私の役者としての琴線に触れる様なそんな一体感を味わえた役柄だったと思います。先生ご自身の柔和な顔だちとは相反する硬派な作品。主人公は肉体的にも精神的にも常に極限に追いやられる。人として試されるのは、そんな時だと思います。先生の作品には男のあり様というものにこだわり続けていらっしゃる気概みたいなものを感じます。これからも長くお付き合いをさせて頂きたいと願っております。



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