DEEP DIVE - 倖田來未


Amazon.co.jpが注目するアーティストについて“深く掘り下げる=Deep Dive”コーナー。今回は待望の5thオリジナルアルバム『Black Cherry』をリリースする倖田來未によるアルバム解説ならびに『Black Cherry (特製パンフレット付 初回限定盤)(DVD付)』に収録される彼女を主演にフィーチャーしたDVDドラマ『cherry girl』についてのコメントを掲載。


待望の5thオリジナルモンスターアルバム「Black Cherry」を解説!

★アルバム全体のコンセプト
「アルバム『secret』から、ジャケットもナチュラルなイメージのものが続いていたり。ここ最近 “くぅちゃん”カラーの作品が多かったと思うんです。なので、今作は“ザ・倖田來未”を全面に打ち出したい、そういう強い思いがあったんですよ」
 今回収録されている楽曲のなかで、彼女が一番「倖田來未らしい」と感じているのが、シングル曲『Cherry Girl』だ。
「なかなか日本にはない海外のグルーヴといい、強い女性を描いたリリックといい“これぞ倖田來未の世界観だ”と。シングル曲として制作しているときから“次回のアルバムは、この曲を掲げた1枚にしよう”そう思っていた」
 その思いは、アルバムタイトルにもよくあらわれている。
『Cherry Girl』をタイトルにすることも考えたんだけど。“倖田來未”色を強く打ち出すアルバムのタイトルにしては、ちょっとラブリーすぎるかなと。そこで、セクシーさや妖艶さを彷彿させ“倖田來未”のイメージとも重なる“黒”を頭につけたんです」
勢いのある『Get Up & Move!!』で始まり、ロックな『人魚姫』、彼女の持ち味であるバラード『夢のうた』と続く……ドラマティックに表情を変えていく今作。より幅広い世界を描くようになった彼女の“アーティストとしての成長”もこの1枚にギュっとつまっている。
「『ミルクティー』は、私の初めての作詞作曲作品!! 今までにない新しい挑戦もつまっているので、一曲、一曲に注目して聴いてもらえたら嬉しいです」

★全曲解説

①INTRODUCTION 「“今から始まるよ!!”的なライブ感溢れるスタートにしたかった。
このイントロで、聴く人のワクワク感を煽ることができたら大成功ですね」

②Get Up & Move!! 「1曲目は、アルバム全体のイメージにつながる重要なポイント。今回は“倖田來未”を表現したいという思いが強かったので。トラック、リリック、ヴォカール……すべてに“勢い”を持つこの曲を選びました」
 曲順を決めるときは「アルバムの頭には勝負曲を持ってくるの」が倖田式。
「スタートと同時に聴く人を惹きつけたいから。CDショップの視聴機で必ず聴くのも1~3曲目ですしね(笑)。そこで “おっ!!”とフックになるような構成にすることも心がけてますよ。そこまで計算しているだけに……“視聴機のランダム設定”は避けていただきたいところですね(笑)」

③人魚姫 32thシングル『4 hot wave』収録曲。 「デビュー当時から“ひとつのイメージにまとまらず、いろんな倖田來未を発信していきたい”そう心がけてきたので。ファンの方は、みんなそれぞれ“倖田來未はダンスだ”。“倖田來未はバラードだ”……私に対していろんなイメージを持ってくれている。でも、“倖田來未はロックだ”っていうイメージを持っている人はまだ少ないと思うんですよ。
 私的には、声のがなりであったり、強いサウンドであったり……“ロック=ライオンな倖田來未”っていう意識が強くあって。そんな一面にも注目してもらいたかったし、今回のアルバムのコンセプトにもピッタリな楽曲だったので。数あるシングル曲のなかでも、この曲を最初に持ってきました」

④夢のうた 33 thシングル。(2 story Ballad shingle) 切ない世界を描いた『夢のうた』。幸せな世界を描いた『ふたりで……』。
同じトラックに違うリリックを載せたシングル曲。
「今作には、切なさ重視で『夢のうた』を収録しました。
恋愛って、ハッピーなものより悲しいほうが鮮明に記憶に残ってしまうんですよね。風邪をひいて苦しい思いをしているときに“うつるだろ。窓あけろよ”と言われた……そんな苦い思い出ばかりが、いつまでも脳裏に焼きつくみたいな(笑)。また、切ないときこそ、人は音楽に救いを求めるもの。音楽もハッピーな楽曲より切ない楽曲のほうがずっと心に残るんですよね」

⑤月と太陽 「これは、好きな人を想いながら書いた曲なんですよ」
 それだけに思い入れも大きく、納得いくまで何度もリリックを書き直したとか。
「ツーパターン用意して友達にジャッジしてもらったり。違う楽曲の作業中であるにも関わらず“いい歌詞を思いついたから。ちょっと『月と太陽』書き直してもいい?”って中断して書き始めたり(笑)」
今作のなかでも「一番、手をかけたカワイイ作品v」なんだとか。
「彼が“太陽”なら女の子は“月”。女の子は、好きな人に照らされて初めてキラキラ輝けるんですよね。“彼の笑顔があるから、自分も笑える……だからこそ、彼の笑顔を引き出す存在でいたい”そんな想いがこもっています」

⑥Puppy 「これは、我が家の愛犬“ラムちゃん”の気持ちになって書いた曲ですね。
ペットを飼っている人なら“そうそう、うちの子こういう感じ”って思ってもらえるんじゃないかな(笑)。甘えてみたり、スネて気を引こうとしたり……恋愛の曲として受け止めてもらえるとも思うから。いろんな視点で楽しんでもらえたら嬉しいですね」

⑦恋のつぼみ 31thシングル。 初めて、関西弁で歌った曲。ドラマ『ブスの瞳に恋してる!』の主題歌にも。
「村上さんが稲垣さんに向かって、走っていくイメージで書いた曲でもあるので。キッチュなラブコメテイストに仕上がりました」
髪型もファッションもイケてないときに限って好きな人にあってしまう……なんて、女の子なら誰でも「あるある!」と共感できる絶妙なリリックにも注目。
「私にとってのリアルな言葉(関西弁)で描いたリアルな世界。実際、恋愛ってうまくいかないこともたくさんあるのが“リアル”。それでも、頑張ってほしいし、私も頑張りたいっ(笑)。そんな気持ちがつまってますv」

⑧WON'T BE LONG〜Black Cherry Version〜 『WON'T BE LONG』を原曲そのまんまではなく、重めに“黒っぽく”カバーした“倖田來未バージョン”。
「この曲は、私ひとりで歌っているバージョンだけれど。“一緒に歌おうよ”なんて好きな人を誘って盛り上がるにはピッタリな曲だと思うんです。デュエットだとちょっと重いけど、この曲なら気軽に肩を組むこともできる。これからイベントの多い季節、一気に距離を縮めちゃってください!」

⑨JUICY 32thシングル『4 hot wave』収録曲。
「倖田來未の重要な要素“セクシー”が全面にでている楽曲。
“私のジュースを召し上がれ”っていう歌なんで、ぜひ好きな人と一緒にいるときに聴いてもらいたいですねv ムーディーな雰囲気を作りたいときにもオススメです。PVも凝って撮ったので、映像込みで楽しんでもらいたい作品」

⑩Candle Light 「自分の経験を引き出してリリックを書く」という倖田來未。
「それだけに、歌詞にはその時々の自分がよく出ているんですよね」
 この楽曲には、ひとりの女の子として成長した自分の姿が。
「違う女の子を選んだ彼に“幸せになってね”なんて、昔の私だったら絶対に言えなかったと思うんですよ。そんな発想すらなかったと思う(笑)。それが、この曲ではホロホロッとこぼれてきたから。私も大人になったのかもしれないですよね」。
 誰しも経験したことがあるであろう胸の痛みがつまった1曲。
「失恋したときに、ワンワン泣いてもらいたい曲。涙をたくさん流したあとは、きっと笑えるハズだから!!」

⑪Cherry Girl 34thシングル。 豪華三枚組についてくる、同タイトルDVDドラマの主題歌にもなっている。
「トラックは海外から提供されたもの。聴いた瞬間“まさに私好みのカッコよさ!”そう思った。そこに“恋はするけど遊ばれない。どんなじゃじゃ馬も乗りこなす女性”をイメージしたリリックをのせました」
“男前”なイメージ、そして“伝えたいメッセージ”…すべてが“倖田來未”的な1曲。
「私は、これからは女性が引っ張っていく時代になると思っているんですよ。この曲には、そんな世の中の女性にエールを送る気持ちと、世の中の男性に“負けないように頑張って!”という気持ちがこもっている。アゲアゲなサウンドなだけに、もちろんカラオケでも盛り上がってもらいたいんだけど。ただ、女性上位なイメージが強いから。私が、昔、久宝瑠璃子さんの『男』を熱唱して引かれたように、メンズの前で本気で歌うとちょっと引かれるかも(笑)。女の子同士で盛り上がるときにオススメですv」

⑫I'll be there 32thシングル『4 hot wave』収録曲。 「イメージは、オフに旅した海。青い海と青い空……私自身の思い出もたっぷりつまった作品なんです」
 実はこれ、今年、一番最初にレコーディングした曲でもあるんだとか。
「この頃は、今の状況はまったく想像もしてなかった!! あれからあっという間のようでもあり、スゴク長かったような気もする……来年はどんな1年になりそうか? 全く予想ができないですね。とりあえず、今は、お正月に家族旅行しようかな、とか。そういうことしか頭に浮かんできませんね(笑)」

⑬運命 34thシングル。映画『大奥』の主題歌にもなっている。
「最初に、映画のシナリオを読ませてもらたんです。読み終わったあとに、お互い愛し合っているのに、近づきいけど近づけない……そんな歌詞の世界がパーッと広がって。一気に書き上げた“泣き”のバラードです」

⑭With your smile 32thシングル『4 hot wave』収録曲。
「これは、男性の気持ちになって書いている曲なんですよ。車の中で疲れて寝てしまった奥さんを見てダンナさんが微笑んでいる、そんな夏休みの帰りの高速のイメージであったり……今、聴くと“ザ・夏”って感じですよねv」

⑮ミルクティー 「私にとって、初めての作詞作曲作品!作る前から、頭の中にイメージとなんとなくのリリックがあったので。それを、ピアノの音にあわせていって。いろんなコードでいろんなバージョンを作ってみたんです。それをパズルのように組み立てていった」
 頭の中にあったのは“幸せな日曜日の午後”のイメージ。
「ブラインドからあたたかい日差しが差し込んでいて、白いシーツのなかでじゃれあう二人……そんなイメージが浮かんでいて。それが、紅茶とミルクがからみあって解けていくミルクティーと重なったんですよね。まあ、そういう私はミルクティーが飲めないんですけど(笑)」
 初めての作曲作業は、彼女にあらたな“楽しみ”ももたらした。
「今聴き返すと“もっとコード展開してればよかったな”とか、いろんな反省点も実はあったりして。これをいかして、また新たな作品をどんどん生み出していきたい!!次は、壮大なバラードを作曲してみたいですね」

~ボーナストラック~

⑯Twinkle〜English Version〜 「イメージはティンカーベル。ヒラヒラッとどこへでも連れ去ってくれる女の子」
アニメ『アメイジング・ナッツ』の主題歌でもある今作。
「アニメを意識して“世界が敵になっても、私はあなたの味方だよ”っていう内容にも。
今回は久々の英語の曲だったんで、レコーディングは頑張りましたよ!!英語の楽曲はメロディにのせやすく好きなんですけど。単語を覚えるのはちょっと苦手なんで(笑)」

⑰GO WAY!! 「映画『クレヨンしんちゃん』のテーマソングなんで。“近くにいすぎて気づかないけど君は宝物だよ”、“子供は未知なる可能性を持った存在だよ”なんて、お母さんに向けてのメッセージも盛り込まれた楽曲」

⑱WON’T BE LONG〜Red Cherry Version〜 『Black Cherry Version』はアレンジされているんですけれども『Red Cherry Version』のトラックは原曲のまま。リリックだけは“男目線”の原曲から“女目線”に変えて歌っています」


Text by miwa ishii

DVD MOVIE『Cherry Girl』とは?

倖田來未が12/20に発売する5thアルバム『Black Cherry』のアルバム+2枚組DVD(初回限定生産)には、彼女を主演にフィーチャーしたDVDドラマが収録される。
そのドラマはアルバムの特典としては破格のクオリティで1時間程度の本格的ドラマ。脚本に鈴木おさむを迎え、監督にはタカハタ秀太を起用。内容は倖田來未演じるクミを中心とした女性の恋の悩みを解決する秘密組織“Cherry Girl/チェリーガール”が繰り広げる痛快でかつ感動的な60分。演技自体初挑戦ともいえる倖田來未本人が本格的なカースタントやワイヤーアクションにまで挑戦した必見のドラマ。女性・男性問わず絶大な人気を誇る倖田來未の魅力が満載の作品です。
cherry girl☆コメント
「ずっと、演技には興味を持っていました」
PVの好演から「女優もできるんじゃない?」なんて声をかけられることも多かった倖田來未。
「その度に “私、女優なんでv”なんて、調子づいた発言をしていたんですけど(笑)。演技の世界に飛び込んでみて、初めて、その難しさを痛感しました」
 まず、彼女がぶちあたったのが”言葉の壁“。
「PVの演技とドラマの演技の大きな違い。それは“セリフ”があるかないか。メロディの中で“歌詞”という“言葉”をあやつる経験はしているものの、カメラの前で“日常会話”という“言葉”をあやつるのは初体験。戸惑うことも多々ありました。一番悩まされたのが“言葉のニュアンス”。心情を表現するための抑揚はもちろん、私の場合、関西人なんで。普段、自分が口にしている関西弁とセリフの間に微妙なニュアンスの差があると、それだけで、不自然な言葉になってしまうんですよ」
 ABCを覚えた後にDを覚えると「Aがどこかにいってしまう」性格のため、長セリフとも悪戦苦闘(笑)
「プロの役者さんに囲まれての演技もまた、難しいものがありましたね。自分ひとりでなく、共演者とのキャッチボールで進んでいくから。空気を読みながらの演技は集中力のいる作業でした。共演者の方々の演技に“さすがプロ!! うまいなぁ”と感心するのと同時に、それがプレッシャーになることもあったしね」
 共演者からこっそり技を盗んでは、台本片手にイメージをふくらませるトレーニング……密かに影練を重ね、最終的にはアドリブまでこなすように!!
「楽しみながらいろんなことに挑戦することができたのは、現場の空気があったかかったから。共演者の伊藤裕子さんとMEGUMIさんとは、すぐに、昔からの女友達のような関係になれて。3人で本読みをしているときも、いつのまにやら内容が恋バナにチェンジ(笑)。“こんなメンズはイイだ”とか、気づけば常にガールズトークでしたからね」

 倖田來未の新しいエンターテインメント。カタチは違えど、届けたいメッセージは“倖田式”。
「劇中に“女を幸せにするのは男。でも、それ以上に男を幸せに出来るのは女だから”っていうセリフがあるんですけど。そこに、今回、伝えたいことが集約されているかな。要は“愛する人のために自分は何ができるか、何をすべきなのか、愛の本質について考えてほしい”それが今作の裏テーマなんですよ。鈴木おさむさんが、それをこれまた素晴らしい脚本に仕上げてくれた。“わかる~っ”の連続&恋の名言ぞろいですから!! みんなの“恋愛の教科書”にもなったら嬉しいですよねv」

今作を経て「演技の世界にハマってしまっていった」という倖田來未。
「最近では、ドラマを“私だったらこう演じる”的な女優目線で見ている自分がいるんですよ(笑)。すっかり夢中になってしまったんで。女優にはぜひとももう一度挑戦したいっ。やってみたい役ですか? そうですねぇ……清純派(笑)? いつの日か、オラオラ系じゃない倖田來未を世間に披露してみたいですねv」