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2004年3月12日に日本でレビュー済み
『沈黙の艦隊』の着想のパクり。核を得て、潜水艦という権力の及ばない空間で、国家の良識派と過激派が世界平和をかけて争う形式は、『クリムゾンタイト』『レッドオクトーバーを追え』など米国ナショナリズムを背景としたハリウッド核もののパクリ。とはいえ、徴兵制が一般で北朝鮮との戦争状態が継続している緊張が背景の国らしく、見応えはあった。
チェ・ミンスの韓国の怨嗟に満ちたセリフは、日本がアメリカに向ける視線と同じなので、納得できた。アジアから見ると、磐石の日米同盟は堅固な陰謀組織に見えるかもしれないし。核によるテロというのは、虐げられた国の世界への罪の糾弾的色彩を帯びるので、ある意味とてもせつない。ただ武力のやりきれなさやせつなさを描こうとしているのだと思うが、妙にグロテスクなシーンが多いし、あまりに物語的には救いがない。救いがなさ過ぎると、エンターテイメントとしては僕は好きじゃない。
『沈黙の艦隊』発想の原点が、日本という軍事的な弱小国のアメリカへのルサンチマンとただのナショナリズムを背景にした貧弱なテロリズム思想だったと思うが、この物語はそれで終わってしまっている。時間の制約で不可能だろうが、『沈黙の艦隊』の救済は、そういったエゴイズムに基づくテロリズムからスタートして、世界統一政府とそれを維持する国際安全保障体制にまで踏み込んで行き、物語の主人公が日本ではなく合衆国大統領と海からの安全保障にシフトしたことによる。それがないので、残酷さと無力さだけで、尻切れ蜻蛉。ハリウッド映画では、米国の平和=地球の平和という詭弁がさもホントらしく喧伝されるが、さすがに残念だがこの作品はナショナリズムの射程を超えていない。
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