カスタマーレビュー

2013年5月20日に日本でレビュー済み
沖縄の基地問題に関する苦悩を沖縄県民が記した書物は多数刊行されている。
一方、本書は、オーストラリア在住の国際問題の専門家が記した英語版がベースとなっている点がユニークであり、英語版の存在は英語圏の人々が読めるというメリットがある。そのために、ノーム・チョムスキー、ジョン・ダワー、ノーマ・フィールドらが称賛している。

沖縄の米軍基地問題が中心テーマとなってはいるが、主権在民とは何か?日本には民主主義が定着しているのであろうか?という重大な問題が提起されている。もしも、日米軍事同盟は必要であると主張するならば、過剰な負担に苦悩している沖縄の米軍基地を、何故に本土側で公平に負担しようとしないのか? 沖縄に過剰な基地負担を押付けている人々には、国民を愛する心が存在しているのであろうか?

本書を一読することによって、下記のような事実を改めて認識できるはずである。
(1)海兵隊の普天間飛行場は、周辺住民の安全性確保や騒音規制の問題から、米国本土では存在し得ない基地である。
(2)沖縄の海兵隊は、中国や北朝鮮からの攻撃に対する「抑止力」となるために必要との主張が展開されてきたが、「まやかしの論理」に過ぎない。現に、森本前防衛大臣は「沖縄の海兵隊は、軍事戦略上の必要性から存在しているのではなく、政治的な処置のために存在している」と正直に白状している。
(3)辺野古沖の新基地の建設、および、高江のオスプレイ・ヘリバッドの建設は、多数の地元民が反対し環境破壊リスクがあることから、米国では実行不可能な計画である。

沖縄では4/28を本土から見捨てられた「屈辱の日」と認識しているにも拘わらず、安倍政権は「主権回復の日」として祝賀していた。
沖縄の基地問題に対して無知・無自覚な国民が、本書によって覚醒することを期待する。
最終章には、日米政府の理不尽な計画に対する沖縄県民の生々しい「怒り」が記述されているが、胸が詰まるような感動を覚えた。
37人のお客様がこれが役に立ったと考えています
0コメント 違反を報告 常設リンク

商品の詳細

5つ星のうち4.6
星5つ中の4.6
5 件のお客様によるグローバル評価
星5つ
56%
星4つ
44%
星3つ 0% (0%) 0%
星2つ 0% (0%) 0%
星1つ 0% (0%) 0%