カスタマーレビュー

2017年7月18日に日本でレビュー済み
 読了前にここのレビューを読み、銀子が可哀想だとか銀子いじめだとか書かれていたので、どんな展開になるのか不安も感じていたが、個人的には今回のラストには一縷の希望を見た。
 銀子が自身を地球人、八一を将棋星人と対比させる才能の限界。性差によりどうしてもついてしまう実力差。
 五巻で痛々しい喧嘩にまで発展してしまった銀子と八一の関係のままならなさ。
 恐らく、今巻のような問題が噴出するまでもなく、銀子はかなり限界に来ていて、これで最後の勝負の結果がもし反対だったとしたら、また続く変わらない日々に彼女は押し潰されていたかもしれない。
 先が真っ暗闇だとしても、あの勝敗の結果があるからこそ、次に道が繋がり、そして、ラストには彼女はほんの微かな、彼女にとって縋るべき唯一の希望を見出すことができた。
 将棋の神様は優しくはないけれど、銀子にたとえ脆い足場だとしても、先に、上に、あるいは彼に繋がる道を照らしてくれたように俺には思えた。

 銀子の一人で抱え込むキャラクター性からいって仕方がないことなのだけれど、銀子のシリアスな将棋パートと、八一周辺のロリコンパートの雰囲気が若干乖離している気がする。これを重くなり過ぎずに済むバランス感覚と見なす向きもあるだろうが、個人的にはもうちょっと噛み合っていて欲しい。
 あと、あいのキャラが将棋の真剣さからズレてきてしまっている気がして、そこが少しだけ心配。
 五巻でも、八一に再起のきっかけを与えたのは桂香の姿だったと思うが、尺としては八一とあいの式の模様が長く取られたりして、少し違和感があった。今巻でもあいは将棋というより八一そのものの方への執着が色濃く書かれているように感じる。これが一つの問題としてこれから持ち上がってくるのなら、それはそれで面白いと思うのだが。
 恋愛的なパートも必要なのかもしれないが、あくまでもヒロインズには将棋を指す姿を通して、八一に前を向かせる存在であってほしい。その方がこのラノベのテーマに沿っていると思う。
 その意味では、JS研や八一の弟子達より、自ら逆境に立ち向かう桂香や銀子の清滝一門の方が、キャラクターとしての存在感を増している気がする。
 銀子メインの巻が続くと思われるが、八一の弟子、あい、天衣の壁にぶつかり成長していく姿もまた見たいと思っている。
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