カスタマーレビュー

2018年3月1日
今までの翻訳本とは違って、とってもキャラクターの性格が際立っているのです。すらすら読めるというわけではありません、言葉もちょっと難しい表現があるし、読むのに時間がかかります。でも主人公たちが立体的に見えました。原書は英語力が足りずに挫折しましたが、英語が分かれば登場人物たちがこういう風に見えるんだなと思いました。

主人公エリザベスってこんなに偉そうな物言いしてたの?とちょっとびっくりするくらいです。友達シャーロットの結婚については「シャーロットにはよほど人間を理解する頭がない」(p239)と言っていますが、そんな風にいってるエリザベスが一番ウィッカムとの付き合いを喜んでいたことが後で判明し「あんな偉そうなこと言ってたのに自分が一番理解してないよね」と、書かれていないのに伝わってきます。

エリザベスはビングリ―のこともかなりバカにしていると感じました。BBCドラマで、ビングリ―はちょっと意志の弱そうな単純でなんだか頼りない男性です。今回の翻訳はあのドラマとピッタリで、エリザベスがビングリ―のことを思うとき「バカにしてる」のが見え隠れしています。作者のオースティンが「エリザベスって理知的で何でもよく見てる」という印象をたくさん散りばめて、実は全く見誤っていたとドラマチックに展開させたいことが分かります。

解説が多いのもうれしいです。ガードナー叔父様が手配してくれた馬車とキャサリン・ド・バーグ夫人の娘が乗っていた馬車は違うといったこともわかりますし、コリンズ牧師はいとこではなく遠い親戚なのではないか?という解釈も初めて知りました。ダーシ―の手紙は、原文だと途中から改行もなくなってビッシリ書かれているそうで、必死に弁明する姿を表現したのでしょうか。

オースティン没後、1894年の本に載った挿絵がたくさん入っています。ちょっと雰囲気がオースティンの生きていた時代より新しいんじゃないか?(長袖で首の詰まった服が多い)とも思いますが、可愛いことに間違いはありません。

誰が誰に話しかけたというのがオースティン作品の場合はっきりせず、訳者によって解釈が違いますが、今回の作品では前後から絶対そうだろうと納得してしまう説得力がありました。そして「オースティンの若かりしころの作品だな」ということもよくわかりました。全作品を翻訳してほしいなぁと思いました。楽しみました。
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