カスタマーレビュー

2018年8月19日
 ロバとともにモロッコを旅するという、ユニークな冒険の紀行文。著者はこれより前、行方不明の友人を探すためフィリピンを訪れるのだが、この「あてのない旅」をしたことをきっかけに、未知の世界に飛び込む楽しさを知る。モロッコではまずロバを調達し、そのロバに引かせる荷車を自作し、旅の途中で新たな動物の仲間も順次加わりながら、著者は砂漠の中を旅するのだ。
 冒険の最中に起こるハプニングは、当然本書の読みどころだ。現地で買い付けたロバは荒れた性格で、初めは著者の指示になかなか従おうとしない。取り付けたソーラパネルは、一時現地の子供たちに盗まれてしまう。また、著者はこの旅に限らず、男性同性愛者から頻繁に体を触られる。(何回も遭遇するところはなかなか滑稽だ)
 全文がモロッコの旅の話ではなく、始めの1章は先ほど触れた友人を探すフィリピンの旅、2章はラクダ飼いの見習いになったエジプトでの旅の話である。全体的にくだけた文体で読みやすいが、高野秀行氏や角幡唯介氏の著作と比べると、なんとなく淡々とした展開で起伏が少ないのはやや残念である。一方で、「冒険をしたからこそ得られた、たとえようのない感覚。厳しい環境の中での圧倒的な感動。遠く離れた異国の地での、何の保証もない、自由な世界」という、著者の冒険に対する思いは素直に伝わってきた。
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