カスタマーレビュー

2014年6月2日
数ある"TED本"の中でも、この本はプレゼンテーションテクニックを詳解したものではありません。筆者がTEDと出会い、TEDxTokyoを運営するに至るまでのストーリーです。

ぜひ読者に見て欲しいというTEDプレゼンのリストもあり、これは他のTED本とだいたい重なる(それだけに素晴らしいプレゼンなのだと思います)のですが、TEDxTokyoに参加したスピーカーのコメントも書かれています。どのような経緯でTEDxTokyoに呼ばれ、どうやって自分の頭の中を整理し、発表に至ったのか。そこに登場する筆者は、よりスピーカーの伝えたいことを引き出す役割として存在しています。筆者のパトリックさんは、いわばスーパーバイザー的な存在でもあるのですが、本書全体を読み終わると、TEDを通して筆者が本当にやりたかったことに気付いた、つまり、それがまさに「TEDxTokyoなどを通して、広める価値のあるアイデアを広めていく」ことなのではないかと思いました。

私も学会発表などでプレゼンテーションを行うようになったきっかけは、「ああ、こういうふうに伝えたいことを伝えればいいんだ」とTEDトークをyoutubeなどで見て、TED本を読み、あえて学会ではなかったカタチでの発表を行ってみたことでした。TEDで一番有名な「デレク・シヴァーズ: 社会運動はどうやって起こすか」に背中を押してもらったようなものです。もちろん、日々生きていく中で、自分が広める価値のあるアイデアを広めていく、地道な作業こそが世の中をより幸せに良くしていくきっかけになるのだと思います。ですが、それをはっきりと示す「場」が必要であることも事実です。

「場」としてのTEDやTEDxTokyo。それがどうやって今に至ったのか。本書には筆者の情熱がたっぷり注がれています。私もいつか、パトリックさんと一緒に頭の中を整理しながら、TEDxTokyoなどにスピーカーとして出て、広める価値のあるアイデアを広めていければいいなと思いました。(でも、そこまでだと大げさすぎると思うので、所属する医療の学会と臨床の現場で地道にがんばっていきます)

ひとつ書き忘れていました。本書には、TEDxTokyoの運営ボランティア2人のストーリーも描かれています。「TEDが目指す本質が、世界を変えるアイデアを集めるだけではなく、自らが変わることで、本気で世界全体を良くしようとする人の集まり」(P.26)であることがよく伝わります。TEDに出る、聞く、だけではなく、日々の生き方そのものが、世界を良くしていくんだなと思います。本書を読むこともまた、その整理であり、きっかけなのでしょう。
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