カスタマーレビュー

2018年7月6日
私が筆者のミュージシャンとしての活動を知ったのは30年近く前のこと。この本は40数年前からの約20年間に及ぶ、取材活動や創作のルーツを記した回想録。エスケンの活動のバックボーンをはじめて徹底的に知ることになった。
回想録と銘打っているが、70年代の海外ロックシーンの流れから日本のロックシーン黎明期を自ら経験した筆者が、創造しぶち破ってきた視点から編んだ、貴重な文化史だ。この膨大な記録は評論や研究とは一線を画しており、全てにおいて筆者の見聞に因るものであることに驚きを隠せない。
海外での特派員生活を中心とした前半は、当時の取材写真を交えて紹介されており、時代の息吹を存分に堪能できる。帰国後の後半は、多くの仲間を巻き込みながら、東京の、いや日本のロックシーンをかたち創った張本人としての奮闘ぶりが書かれており、すこぶる驚かせられた。クラブシーンの幕開けにもひと役買っているわけで、当時の記憶と絡み合い、補填されてはからずも追体験ができかなり楽しめた。今、こんなに彩り豊かなミュージックシーンがあるのはエスケンの功績がきっと大きいのだ。
下町気質の筆者ならではの疾走感溢れる文体は軽快でかつほんわかとあたたかく、分厚いハードカバーであるにも関わらずあっという間に読了していた。日本のロックシーンの黎明期やクラブなんて知る由も無いという方にもぜひ手にとって欲しい。この時代の空気を知らないなんてもったいない、学校推薦図書に推薦してしまいたいくらいだ。今の若人もこのバイタリティ溢れるオッサンの生きざまを“目撃”すべし!

エスケンの周りに集う、個性的な人物紹介が特に面白い。勝手にイメージが膨らんで頭の中でその人物が歩きだし話しだして、急に知人が増えた気分になる。

齢70オーバーにして前進し続け、ミュージシャンとしても復活を果たしたエスケンに拍手喝采! 早くも第2弾に期待する。
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