カスタマーレビュー

2019年6月14日
この『ジャパニズム』で最初に読んだのが、『日之丸街宣女子』の富田安紀子先生の新作『英霊たちの肖像』。

『日之丸街宣女子』を読んでいて、細かいところの情報量がすごく多い漫画を描かれる方だという印象があった。一方で説明台詞のようなものは少ないので、気を抜いて読んでいると、重要なポイントを見逃してしまうようなときがあると思っていた。

この作品にも冒頭にそういう小さな一コマがあって、本作に込めた作者の強いメッセージがそこから読み取れるように感じた。

富田先生のツイッター新アカウント(@info90234977)によると、本作のために遊就館と偕行文庫に独自取材に行かれたそうである。また「靖國に祀られているご祭神の若き日をヒロイックに描くらしい!」との触れ込みだったので、かつての日本軍の英霊の伝記のような作品かと予想していた。

だが、意外にも第1話のタイトルは『井川(大澤)政代命ー前編―』。飛び板飛び込みで1936年のベルリン五輪に出場された女性水泳選手のお話だった。今回は大澤選手とその妹の礼子さんが姉妹で五輪出場を果たすまでのエピソードなのだが、作中で悲劇的な結末が暗示されているため、次号の展開が楽しみである一方、正直いって怖くもある。

最後のページには、『日之丸街宣女子』が連載中止に至った事情が横長の五コマ漫画で紹介されている。なんかいろいろあったようなのだが(笑)、富田先生のこういうギャグ漫画っぽいタッチはすごく好きだ。

その下には、5月11日に靖国神社前で自決された靖國會、沼山光洋事務局長のことが紹介されている。そして沼山氏と今の時代に対する富田先生の強い思いが綴られている。これを読んで、『日之丸街宣女子』に代わって『英霊たちの肖像』になったのは、何となく運命めいたものがあるようにも感じた。

この号には、孫向文先生の新連載『アマテラスの翼』もある。孫先生は、AIIBに誘う悪パンダの漫画が有名だが、先生自身もお気に入りのようで、この新連載にも悪パンダの図柄がところどころ出てきて、とても可愛くない(笑)。

ストーリーはというと、少子化と経済悪化で大量の移民を受け入れた結果、人口の3分の2が中国人となり、彼らに参政権を与えた日本で共産党政権が誕生したという設定の近未来漫画である。中国語が必修化され、看板も中国語、街中を飛び交うのも中国語、転校生も中国語である。そして、志位主席がマイナンバーに顔、指紋、血液の見本、銀行口座も登録するという新制度を発表し、横田基地には人民解放軍のステルス機がやってくる…

これを奇想天外な設定といえるだろうか。私はそうは思わない。まともな少子化対策が打たれないまま、大量移民受け入れは既に政府の既定路線となった。街中には外国人が溢れて、その多くが中国人だ。尖閣諸島には毎日のように中国公船が来ているが、政府は排除もせず、遺憾砲すら撃たない。

香港、チベット、東トルキスタン(ウイグル)、内モンゴルの現状を見れば、日本が中国の勢力下に落ちたら、日本人にどのような運命が待っているのかは誰の目にも明らかだろう。

私が思うに、この漫画で描かれたような状況は、必ずしも日本に共産党政権が誕生しなくても起こり得るし、もうそうなりつつあるのではないか。その方が怖い話だと思う。

次に読んだのが、新田龍氏の『ブラック企業どころではないブラックユニオンの実態』。肩書が「ブラック企業アナリスト」とあるのでユニオン側の立場の人のように思えるが、そうではなくて、実にバランスのとれた論考をされる方である。

今日たまたまツイッターに新田龍氏のツイート(https://twitter.com/nittaryo)が流れてきて、ああこの方だったのかと気がついた。今回の記事のような固い論評だけではない新田氏の別の一面が窺えるので、ツイッターをやっている方は是非ご覧になって欲しい。

このジャパニズムの記事では、(1)京品ホテル事件と(2)ありさんマークの引越社事件という二つのユニオン絡みの事件を紹介され、ユニオンが企業と労働者の両方を食い物にしている実態を暴いている。まさに外道としかいいようのない連中である。

また、現在の日本の労働法が米国による占領期に作られたことも指摘されている。この点は、関西生コン連帯支部事件を特集した『ジャパニズム46』でも触れられていて、興味深く読んだ記憶がある。憲法9条もそうだが、占領期に強制された綺麗事の法律が現実に対応できないままとなっていて、それをごまかし続けてきたのが戦後日本の実態ではないだろうか。

新田氏は「現行制度に何ら問題はないと考えている」と仰られるが、私は、現在の労働法制度にはやはり問題があるように思う。労働法の理想が労働現場の実態と合っていないのではないか。それがこの記事のブラックユニオン、あるいは労働者の過労死のような形で吹き出しているのではないかと思う。

最近何かと話題になる政治系YouTuberの大御所、KAZUYA氏と神谷宗弊という方の対談『日本にまともな近代政党はできるのか!?』も興味深かった。神谷氏は、予備自衛官三等陸曹で、元吹田市議会議員という経歴の方らしい。両氏が「政党DIY」なる新党を結成したとは、この対談で初めて知った。「DIY」というと日曜大工を思い浮かべる人が多いと思うが、まさにそんな素人が手作りで進めていこうというのがコンセプトらしい。

政党というと、必ず向き合わなければならないのがお金の問題だが、レントシーキングにならないよう、多くの人から少しずつお金を集めてガラス張りで運営したいとのこと。また、人材面では博士号までとったのに仕事にあぶれているような人を活用するといったアイデアは面白いと思った。

先日の参院選でのれいわとN国党の躍進は、既存政党に満足していない人たちが増えていることを如実に示していると思う。が、現状に不満を抱く普通の保守層にとっては、まだまだ受け皿となってくれる政党が存在しない状況ではないだろうか。この記事を読んだ限りでは、「政党DIY」がどういう政策を掲げるのかは明らかではないが、ゆっくりでも着実に大きくなって、今の日本政治に批判的な保守層の受け皿の一つになってほしいと思う。

この他にも、本号では以下の記事が楽しみだ。また少しずつ読んでいこう。

坂東忠信 令和に移民化する難民との生存競争に備えよ
戦場の先輩たちの跡を追って(一)陸軍少年飛行兵第十七期栁橋晃一郎氏 久野潤
靖國神社境内に伝わる戦史 (一)海防艦顕彰碑 靖國神社崇敬奉賛会青年部 「 あさなぎ」
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