カスタマーレビュー

2010年12月14日に日本でレビュー済み
読み応えのある本だなと思いながら読み進めています。ここまで読み進めてきて、そうか「沈まぬ太陽」ってタイトルは、とようやく思い始めてきました。アフリカ篇ではそうでもなかったモノの感情が揺さぶられる事の多かった御巣鷹山篇を読んだ後では、物語の中に引き込まれ感情移入もしてしまい、組織の腐敗や当時の政治背景なども回想したりしてまるで全てが真実のように思えてきて憤りを感じます。読後は何とも言えない気持ち悪さを感じるのですが、しばし冷静に考えて、そうだあくまでフィクションなんだと突き放さずにはいられない・・・本でした。

それにしても、あくまで事実を元にしたフィクションとはいえ、御巣鷹山篇からは日航機事故とクロスしてしまい、日本航空の組織内部のことは私には分かりませんが、政治家の方の名前などは、これは誰だなどと理解出来てしまう名前の付け方。それも手法なのでしょうが、読者としてはどこまでが真実でどこからが虚構なのかと思わず混乱してしまう。お金や権力、女を囲う事などの記述にしても、あるだろうなと冷静な自分が在る反面、汚い・・・と思わざるを得ない。思わず、誰が悪いのだ!と悪者探しをしたくなる気持ちになってしまいます。

これが、全て真実だと感情的に捉えてしまう事も危険なように感じます。
ただ、企業にせよ、組合にせよ、政治にせよ、各々のインセンティブがあり、各々の正義があり、また対峙する別の正義があるのだと思います。主人公の恩地ではなく、また別の人に焦点をあてれば、違う物語になるのかもしれません。

しかし、そこから真に学ぶべき事は何なのだろうか・・・?

利権、癒着。一つの企業だけではなく、政界との複雑に絡み合った人間模様。何故、組織や政治、社会が個の利権に走ってしまうのか。そこにないものは理念であるのだと思います。しかし、それすらも綺麗事に過ぎないのだろうか、という気持ちにすらなってしまいます。失われた10年、15年と言われる昨今。グローバル経済になっていく中で、やはりまだ日本は「日本国」という島の中でしか物事を判断出来ていない事に誰もが危機感を感じながら、不安の中に身を置いています。その先に何が必要なのか?という事を考えながら、最終巻を読み進めたいと思います。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
0コメント 違反を報告 常設リンク

商品の詳細

5つ星のうち4.0
星5つ中の4
評価の数 31
¥825+ Amazonプライムなら、お急ぎ便が無料