カスタマーレビュー

2020年3月18日に日本でレビュー済み
生きづらさを抱えている二人がたまたま出会い、結婚を約束するまで。ただ、激しい恋愛感情はあるようには見えない。

女性は看護師。夜はガールズバーでも働いている。母が自殺し、自分は捨てられたという意識がある。何についても、死との対比で考える癖がある。職業柄良く出会う死についても”すぐに忘れる”と自分の中で処理する。恋愛についてもくだらないと思う。”恋愛すると人は凡庸になる、とか、恋愛なんて、誰かの元カレと誰かの元カノが懲りずにまた~~~~”と。

この感覚、分かるものがある。私は子どものころ、人から親切にされた時、”ありがとう”とか”すみません”とかなかなか言えず、言っても心の中で”でも、このオバさん、自分の子どもと俺の中から一人しか命を救えないとなったら、俺は選ばないんだよな”といつも思った。
自分の叔母さんがラーメンを作ってくれたりケーキを買ってきてくれて”美味しい ?”と聞かれると、”ウーン・・・”と唸るしかなかった。自分には美味しいものを食べて、旨いと感じる心がなかった。
人からの質問に素直に答えて、ひねくれていると言われることもしばしばあった。又だと、その度に当惑した。もちろん傷ついてもいた(でも、私にそう言った同級生たちは、大人になると子どものころの私と同じような見方を自然に示すようになった。逆に私は、”純粋だね”と時々言われるようになった)。

そんな感覚から自分が徐々に抜け出したのは、高校生時代であったかもしれない。この映画の主人公の女性は大人になって働き出しても、まだ強い生きづらさを抱えている。
主人公の男は、高校時代大変優秀であったようだ。現在も読書家である。一人で飲み屋に行って文庫本を読むくらいに。でも、仕事は建設作業員。年収は200万円に届かないくらい。自分にはそのくらいがちょうど良いと思っている。この男も何かの闇を心に抱えているのだろう。

男の同僚の中年男が、”おれはカネは無くても生きてるぞ、ざまあみろって思うんだ”と言う。
夜の青い月を見て、何か悪いことが起こりそうだと初めは感じていた二人が、あまり熱意があるようにも思えない結婚の約束をしてから再び見ると、良いこともあるかもしれない感じる。そして、さらに女性が言う。”朝起きておはようと言う。食事の時いただきますと言う”と。そんな当たり前の日常性が、生きづらさからの解放となるのだろう。それは凡庸に堕するということになるのかもしれないが、心理テストのバームテストを受けると、太い幹で大きく枝を広げ豊かに茂った木を書けるようになるのだろう。平凡になれるということは幸せだ。
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