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カスタマーレビュー

2012年11月16日
冒頭の「He Loved Him Madly」は同年(’74)に亡くなったデューク・エリントンに捧げられた追悼曲で、30分を超える大作に仕上がっている。マイルスとデュークのよく知られた接点は一度だけ。’47年当時まだ無名だったマイルスは、デュークのオフィスに呼び出されてエリントン・オーケストラの専属ソリストにスカウトされるが、初リーダー作「クールの誕生」のレコーディングを理由に、その場で丁重に辞退している。『あの日からデュークが死ぬまで、ふたりきりで話すことはなかった。(マイルス・デイビス自伝)』

“Love You Madly” はデューク・エリントンの口癖で、ライブで熱狂する聴衆や、家族や仲間たちに向かい親しみを込めて、しばしばこう呼びかけていた。でもマイルスがつけた曲名「彼は彼を狂おしく愛した。」って一体どういう意味なんだろう。十数年前に初めてこの追悼曲を聴いた時から、「皮肉屋のマイルスらしく、デューク・エリントンの自己愛を揶揄したものだよ。」という物知り顔の意見にはどうしても納得できなかった。深い悲しみを湛えた壮大なレクイエムを、そんな陳腐な皮肉で穢すほどマイルスは愚かではないし、仮にそうだとすると正確に He Loved Himself Madly と書くはずで、ここではあえて(何か理由があって)曖昧な目的語 Him が選ばれたとしか思えない。

長年の謎が、以下の文章を目にした時に何だか氷解したような気がして、今このレヴューを書いています。『サンパウロでのコンサートの直後、心臓発作がマイルスを襲った。病院に運び込まれたが、すぐに自分から病院を退院してしまった。自らの健康状態に加え、1974年5月24日、デューク・エリントンが亡くなったという知らせに、マイルスの心は深い悲しみに包まれた。その前の12月、エリントンから届いたクリスマスカード ( “Love You Madly” とサインしてあった) は、デュークからの別れの挨拶だったのだとマイルスは思った。ニューヨークに戻るとすぐマイルスは6月のセッションスケジュールを立て、デューク・エリントンへの追悼曲「He Loved Him Madly」をレコーディングした。(「マイルス・デイヴィスの生涯」シンコーミュージックエンタテイメント) 』

きっと(僕の想像だけれど)、このタイトルは双方向性のダブルミーニングで、
彼(デューク)は彼(マイルス)を愛した、のであり、
彼(マイルス)は彼(デューク)を愛した、のだ。

デュークの言葉はマイルスに届いたけれど、マイルスの思いはレクイエムに託して天国に眠るデュークに届けられねばならなかった。ふたりの音楽的な交流は希薄であったにも関わらず、デュークがマイルスを愛した理由が、僕には何となくわかるような気がする。デューク・エリントンの創作哲学『Beyond Category(カテゴリーを越えて)』を、その生涯を通じて最も苛烈に一切の妥協なく実践した人物こそ、マイルス・デイビスであったから。

このアルバムにおさめられた8曲が、それを証明していると思う。Martha Argerich さんの先行レヴューのとうり、ここではジャズ、ロック、ファンク、ブルース、ソウル、ラテン、カリプソ、現代音楽、といったカテゴリーのしがらみが取り払われ、混沌の中にのびやかで自由な音楽が鳴り響いている。これを聴いたデュークが、天国でにっこりと微笑む姿が目に浮かぶようです。
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