カスタマーレビュー

2019年4月1日
 昭和40年代(1960年代後半~70年代初頭)、学生運動が興隆し、当時の若者たちから熱狂的な支持を受けた独立映画プロダクション・若松プロ!

 鬼才・若松孝二を中心に集まった若き才能(クリエイター)たちが集まった時代の若松プロの物語を描いた映画『止められるか、俺たちを』!

 本書は映画『止められるか、俺たちを』〈監督:白石和彌、主演:門脇麦〉のオフィシャルガイドブックである。

 若松孝二といえばピンク映画の巨匠であり、独立プロ(今でいうインディーズ)の先駆け的な存在だ。

 私にとってはピンク映画よりも一般映画の『水のないプール』『キスより簡単』『寝盗られ宗介』『エロティックな関係』の監督として認識しており、若松監督の作品で見たのが『われに撃つ用意あり』『シンガポールスリング』くらいだ(どちらも特に面白かったという印象はなかった)。

 だから若松作品に特別な思いがあるワケではないのだが、若松監督の半生記『時効なし。』を読んでなんとなく興味を持った。

 晩年は『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』を筆頭に『キャタピラー CATERPILLAR』『海燕ホテル・ブルー』『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』『千年の愉楽』と精力的に撮り続けた若松監督だが横断中の交通事故により入院先で死亡するという非業の最期を遂げる残念な結果となった。

 今回、若松プロの門下生で若松の助監督として活躍した『孤狼の血』の白石和彌監督がメガホンを撮り、同時期に若松作品に出演した井浦新(若松孝二役)、高良健吾、高岡蒼佑、満島真之介、寺島しのぶ、奥田瑛二といったゆかりのある役者たち(若松チルドレン)が総出演しているのも本作の特徴だ。

 本作では紅一点の助監督だった吉積めぐみ(演:門脇麦)を主人公に彼女の目を通して当時の若松プロを描いた物語だ。

 現時点では未見なので本書に掲載されている完成台本を読んでイメージするしかないのだがその時代とともに疾走し、映画作りという一つの目的のために情熱を注いだ若松プロの様子が伝わってくる(予告編を見た感じでは主演の門脇麦さんが違和感なく、まさにこの時代に溶け込むかのように本作のピースに当てはまるようだ)。

 本作における評判は上々なのだが、登場人物のモデルとなっている足立正生、秋山道男、高間賢治、荒井晴彦によるレジェンド座談会では辛辣な感想が述べられ、あの時代の空気を知る者にはどうしても厳しい目になってしまうのだろう。

 当時の若松プロの様子を知るメンバーであり、何より生前の「吉積めぐみ」を知る生き証人たちだから本作(の辛口コメント)を含めて若松プロの様々な思い出エピソードが聞けて面白かった。
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