カスタマーレビュー

2009年8月15日に日本でレビュー済み
 本書は池上司原作『雷撃深度一九・五』の原作を基に『終戦のローレライ』『亡国のイージス』の原作者・福井晴敏監修・脚色により、6月13日に公開された映画『真夏のオリオン』(監督:篠原哲雄、主演:玉木宏)のノベライズである。

 64年の時を越えてアメリカから届けられた一枚の楽譜『真夏のオリオン』から語られる第二次世界大戦末期の過酷な戦場を舞台に秘められたドラマとは…。
 第二次世界大戦を舞台に潜水艦イ−77号と駆逐艦パーシバルとの戦闘を繰り広げる戦記小説であり、イ−77号艦長・倉本と駆逐艦パーシバル艦長・スチュワートとのお互い見えない相手に敬意を表しながらも知力の限りを尽くした展開が面白い。

 潜水艦イ−77号で乗組員から全面的に信頼を寄せる若き艦長・倉本孝行、海兵団の五等水兵から士官にまで昇進した叩き上げの田村俊雄水雷長、ハーモニカ好きの鈴木勝海一等水兵、名門中学から早稲田に進み物理を学んでいた中津弘航海長、慶応大医学部を卒業したばかりで初めての出撃に緊張する坪田誠軍医長、生まれたばかりの子と妻の写真を大事にする水雷士の森勇平二等兵曹、海軍兵学校時代の同期で良きライバルである伊号第81潜水艦の若き艦長・有沢義彦海軍少佐、有沢の妹で倉本に好意を寄せるピアニストの志津子、護衛駆逐艦パーシバル艦長・マイク・スチュワート海軍中佐などなど…。

 現時点では映画を未見であるが、読後感として映画『ローレライ』の役所広司扮する艦長・絹見真一もそうであったが、イ−77号艦長・倉本の戦後思想の入った言動が目につくところが少し気になるが、敵艦パーシバル艦長・スチュワートとの攻防は面白く、倉本とスチュワートとの関係がどこか川中島の武田信玄と上杉謙信を連想させる。

 最後に敵艦の艦長スチュワートが倉本に宛てたメッセージもよかった。
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