カスタマーレビュー

2012年9月23日
 思うに、この本は所謂「生まれか育ちか」論争に終止符を打ってくれるのではないだろうか。著者は本書内において、「遺伝子−環境」という二分法には意味がないと論じる。実際の我々の能力を決めるのは、従来の「G(遺伝子)+E(環境)」というモデルではなく、むしろ「G×E」、遺伝子と環境の「相互作用」によるものなのである。例えばベートーヴェンは訓練なしでかような曲を作れたのではない。虐待じみた訓練を幼少期から受けてきたのであり、天才は生まれたときから天才なのではないのである。つまり、「才能はプロセス」なのであり、『私達の中の天才(原題)』を生かすか殺すかは私達(もちろん親や仲間も関係する)次第なのである。
 また、本書の最後に書かれているように、我々は行動によって遺伝子を変えることができる。遺伝というのは従来考えられてきたものよりも複雑なのであり、本書は遺伝学の新たな可能性の一端を見せてくれる。
 最後に、この本の面白いところは、主張篇と根拠篇の二部に分かれており、各部で約半分ずつとなっていることである。主張篇は示唆に富み、かつ読みやすいし、根拠篇はより詳しく知りたい読者を満足させてくれるだろう。
 若者にも、親にも、教育者にも、誰にでも読んでほしい本である。
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