カスタマーレビュー

2006年2月5日に日本でレビュー済み
 大学で法律を学んだ者として、読後、些かショックを受けた。英米法も少しかじったはずだが、この本に書いてあることは、ほとんど初耳のような気がしたのだ。「日本の憲法学者は、学者というよりは、何かしら政治扇動家のように思える」と著者は書くが、私が学んだ憲法学者はそんな様子はなかった。また、当時知り合った大学院生とバジョットの『英国憲政論』を一緒に読んだ覚えもある。
 この本の内容を全く信じることもできなかったので、仕方なくアマゾンの洋書で Stephen M. Griffin "American Constitutionalism" PRINCETON 1996 とCASS R. SUSTEIN "RADICALS IN ROBES" BASIC BOOKS 2005を注文し、二か月かけてようやく読み終えた。
 この二冊の本は改めてアメリカの歴史と憲法史の一端を教えてくれた。契機となった本書は、その意味で有益だったが、最初に感じたショックは消えうせてしまった。
 サステインの本で明らかなように、この本の主張は現在アメリカで有力になったファンダメンタリズムという一つの立場からの憲法論で、それが正統であるということは議論の余地のあるところだ。(サステインはこれに否定的で、あまりに党派的であり、歴史の恣意的な利用をしているという批判もしている。)
 ましてや、アメリカでデモクラシイを否定するような法律家は少数派で世論の支持を得られないだろうし、200年以上前のフレイマーやラティファイアーの意思にいつまでも拘泥するのは、その後の社会の変遷を無視することになり、あまり理論的な説得力はないようだ。
 するとこの本の著者も政治扇動家の一人になるのだろうか。
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