カスタマーレビュー

2018年5月7日に日本でレビュー済み
世にいう「日常系」アニメは「日常的」でない場合が多い。
ちょっとした日々を送るという意味ではそうなのだが、不自然なくらい異性が出てこなかったり、両親を遠ざけて表現していたり、ファンを萌えさせるために排除している要素こそが「日常」だろうという場合が本当に多い。

さてこの「月がきれい」だが、こういうシチュエーションあったよねー、とか、憧れたよねー、とか、女子ってトイレ集団で行くよねー、とか、垂れ下がった電気のヒモスイッチでボクシングしたよねー、とか、親と仲悪い時期あったよねー、とかとにかく、ひとりの人間が経過したような日常を丹念に紡ぎ、思春期の「日常」を丁寧に、かつ、正確に描写している。

「思春期」とは、大人から見て気難しい少年少女の一時期という意味で使われることが多い言葉だが、「春を思う」かけがえのない日々の事なのだと気付かされる、素晴らしいアニメだと思う。

作画が安定しないのは残念なところがあるが、素朴なキャラクターデザインはアニメの趣旨に見事にマッチしているし、なるべく大きな演技をしない、言葉を飲み込むようなシーンを丁寧に演じている声優も好印象である。
感情をあまり台詞に表さず、演技で感じさせることに重点を置いている演出もステキだ。

小説を書く事を夢に抱く主人公が、甘く切ない彼の今と重ね合わせて引用する純文学の一説一説も味わい深い。

挿入歌として東山奈央が歌う、90'sあたりの懐メロも、シーンに見事に合っていてグッとくる。

エンディング曲中に、物語の伏線になっているLINEが流れるのでお見逃しなく。
また、エンディング曲後にある小話たちも、大変おもしろく見た。サブキャラまで製作者に愛されてるなぁという感じ。

あの日の恋心を思い出してきゅんとしたい人、必見です。
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