カスタマーレビュー

2009年4月18日に日本でレビュー済み
監督:舛田利雄、脚本:笠原和夫コンビによる「東映戦争3部作」のラストを飾る作品と
くればそれ相応の期待をしてしまうが、中身はまったく以って肩透かしもの。なぜこの
作品だけこんな事に…と考えさせられてしまった。
前2作は、重厚な出演者陣による登場人物が、ストーリー展開の中でそれぞれ終始有機的
に絡み合い、戦争の過酷さ・悲惨さとそれに否応無く巻き込まれていく下級兵士・民間人
の悲哀を壮大なスケールで描き切っていたが、この作品の視点は皮相的・単層的過ぎ。
沖田浩之演じる若き軍楽兵の視点を主に物語は展開するが、前半約1時間は主人公とその
恋人との冗長な絡みでだらだらと進行。それに付随するサイドストーリーが散発的にまぶ
されているだけで奥行きのある展開がまったく見られない。
冒頭のワンシーンだけに登場する、平幹二朗演じる明治天皇と丹波哲郎演じる山本権兵衛
もこのあとの展開に丸っきり生きてきておらず、なんとももったいない使い方。三船敏郎
演じる東郷長官の重厚さも、ことこの作品の中に置くとこれまた実にもったいない…。
それでは主人公と恋人の関係は後半どうなるかというとこれまた全く描かれる事なく、日
本海海戦のシーンへ突入、そのまま「え、これで終り?」というラストを迎えてしまう。
結局作り手は何を描いて伝えたかったのかその意図が全く掴めない、何とも残念な作品に
なってしまっている。
ただ、日本海海戦の砲戦シーンはかなりの迫力。これこそ現在のCGでは描けない、特撮の
真骨頂だろう。当作品の見所は、この海戦シーンに尽きる。
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5つ星のうち3.1
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