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哀愁的東京 (角川文庫) 文庫 – 2006/12/22

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商品の説明

商品説明

   家族や青春をテーマにした作品を多く手がける重松清が、そこから少し離れた世界をつくり上げた。本書は人生の晴れ舞台から去ろうとしている人びとを描いた異色の連作短編集だ。

   主人公の進藤宏はフリーライターとして生計を立てている中年絵本作家。かつては新進の絵本作家として期待されたが、「ある事件」があってからまったく作品が描けなくなっていた。無為な日々のなか、彼はライターの仕事で、「人生の下り坂」にさしかかった人びとに出会う。事業に失敗したITベンチャー起業家、旬を過ぎたアイドル歌手、年老いたSM嬢やホームレスの夫婦。彼らには共通点があった。それは進藤の幻の出世作「パパといっしょに」を知っていることだった。しかしいまの進藤には、そんな無邪気な過去の作品世界はもう描けなかった。

   進藤は彼らとの時間を過ごし、それぞれがそれぞれの流儀で晴れ舞台から退場するのを見届ける。そのたびに、なぜか進藤のなかで新しい絵本を描こうとする意欲が、少しずつわき上がってくる。まるで彼らが進藤の絵本に何かを託したくて、その背中を後押ししていったかのように。そして絵本作家の手元には彼らとの時間の中で生まれたスケッチが数枚残る。

   物語のラスト、ひとり夕暮れの公園でスケッチを眺める進藤の姿には、不思議と絶望感や孤独感はまったく見られない。ふとした偶然や仕事で知り合っただけの人びとに、自分自身が励まされていることを感じ取ったからなのだろう。そこには、家族という枠組みを超えた人と人とのつながりが描かれている。重松清の小説世界の裾野がまた大きく広がった。(文月 達) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容紹介

「今日」の哀しさから始まる「明日」の光を描く連作長編。
フリーライターの仕事で進藤が出会った、破滅を目前にした起業家、人気のピークを過ぎたアイドル歌手、生の実感をなくしたエリート社員……。東京を舞台に「今日」の哀しさから始まる「明日」の光を描く連作長編。

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登録情報

  • 文庫: 382ページ
  • 出版社: 角川書店 (2006/12/22)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4043646046
  • ISBN-13: 978-4043646043
  • 発売日: 2006/12/22
  • 梱包サイズ: 14.8 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0 28件のカスタマーレビュー
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カスタマーレビュー

トップカスタマーレビュー

投稿者 QTDB 投稿日 2014/6/7
形式: Kindle版 Amazonで購入
どの重松作品とも違う魅力があります。フィクションだけどリアル。
東京らしさが出てる愛しい一冊。
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投稿者 escape 投稿日 2015/11/17
形式: 文庫 Amazonで購入
いまいち面白くなかったですね。内容もあまり頭に残らないので自分的にはいまいちでした。
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形式: 単行本
重松ワールド全開。
重松清を何冊も読んだ人にはある意味、自叙伝ともとれそうな作品。
悲しいけど、一風変わった爽快感を味わうことができる。
内容は週刊誌のライターで食っている売れない絵本作家が主人公。
これは彼自身の経歴から見ても、経験からそのエッセンスを得ているようにとれる。
ITビジネスの元やり手・落ちめのアイドル・年老いたSM嬢・ホームレスの夫婦と切り口を
かえてはいるが、根底に流れているものはひとつである。
さすが、重松清という一作。
重松ファンは「疾走」よりもきっとこちらの方を好むことでしょう。
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形式: 単行本
今はライターの仕事をしている絵本を書けなくなった絵本作家・進藤宏が、峠を越えたSM女王、盛りを過ぎたアイドル、売れなくなった作曲家等と巡り合い、自分の書きたい絵本が何かを探していく物語です。
重松さんらしく人間の内面を巧みに描いた共感の得られる物語で、それだけでも読む価値のある作品です。
しかしそれだけではなく、この物語は重松さんが小説を書き始める時の事をモチーフとした、重松小説の原点を物語った作品だと感じました。
ご存知の方も多いと思いますが、作家を始める前の重松さんはフリーライターとして活躍していて、そのライター時代に重松さんは女性誌で、「ザ・人間」という様々な人間模様を描く連載に携わっていました。重松さんはエッセイ集「セカンドライン」のなか!で、これが僕の小説の原点と語っていて、確かに重松さんの作品は人間模様を描いた作品が数多くあります。
そしてこの物語の主人公の進藤宏も様々な人間と出会い、そこで数々の人間模様を見る。そしてラストにはその人間模様こそ私の新しい絵本であると言っています。
進藤宏を重松清に置き換えてみてください。重松小説の原点が見えてきます。
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形式: 単行本
かつては賞を取ったもののその後は全く書けなくなった絵本作家。妻や娘とは別居し、現在はフリーライターとして細々と生活する中年男。そんな冴えない中年男が、人々との出会いを通じて新たに人生の希望を見つけるいう重松清らしい設定の作品である。
前作「疾走」は新分野を探る意欲作であったが、本作は、「重松清が読みたい!」という人には安心して読めるストーリー展開で、その期待を裏切らない。
特に目新しいものはないものの、読んでいる途中にはやはりホロっとさせられ、読後には爽快感の残る作品である。
タイトルが「いかにも泣かせようとしてるなあ。」と疑問をもっていたが、全て読んだ後には、そのタイトルの持つ意味もしっくりとした。秋の夜長におすすめの一冊だと思う。
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形式: 文庫
フリーライターという主人公の立場を活かした作品。

色んな人間に出会い、色んな人間の事情を感じ取り・・・そして完成するひとつの絵本。

それがまさに「哀愁的東京」という一冊の本であると思います。

主人公の成長を描いた話ではないし、この話はそういうことを描く話じゃない。

一人の人間の成長ではなく、一人の人間の目を通して見えるものを素直に描いた・・・

そんな話です。

色んな立場の人間との接触があるのに、無理のない設定はさすが。

この方の作品は、人間関係の描き方が丁寧で無理が無い。

残念ながら今回の作品には特に思い入れのある人物が出てこなかったので☆は4つ。
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投稿者 yon 投稿日 2007/8/19
形式: 文庫
重松氏の作品を読むと、いつも苦しい。切なくて胸が痛くなる。だから本当は読みたくない。と思ってしまう。それなのに、読んでしまう。淡々と静かな文章が、心の中の触れないでほしいところにぐいぐい入り込んでくる。連作長編で、どの一編もこころにひびくが、特に「ボウ」は読みながら泣けてしまった。ほんとは5つ☆にしたいけれど、せつなくて苦しいので☆を減らしてしまった。
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形式: 文庫
哀愁は、都市と相性がいい。
東京暮らしが長いから、その雰囲気はよく分かる。

哀愁は、もっと幽かなものだと思う。
いつも笑う人が、ほんの一瞬だけにじませて、空気に拡散するような。

本書に出てくる人々は、なにか「哀愁」を具現化しすぎているという気がした。
閉園前の遊園地のピエロやフリーライター、倒産寸前の企業家は、見るからに「哀愁」なのだ。

ずれた人間のオムニバスは好きだけど、本書は少しわざとらしすぎるような気がしたので、☆3つ。
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