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実力も運のうち 能力主義は正義か? Kindle版

5つ星のうち4.2 1,326個の評価

ハーバード大学の学生の三分の二は、所得規模で上位五分の一にあたる家庭の出身だ。にもかかわらず、彼らは判で押したように、自分が入学できたのは努力と勤勉のおかげだと言う――人種や性別、出自によらず能力の高い者が成功を手にできる「平等」な世界を、私たちは理想としてきた。しかしいま、こうした「能力主義(メリトクラシー)」がエリートを傲慢にし、「敗者」との間に未曾有の分断をもたらしている。この新たな階級社会を、真に正義にかなう共同体へと変えることはできるのか。超人気哲学教授が、現代最大の難問に挑む。解説/本田由紀(東京大学大学院教育学研究科教授)
販売:

出版社より

著者写真

著者紹介

マイケル・サンデル(Michael J. Sandel) 1953年生まれ。ハーバード大学教授。専門は政治哲学。ブランダイス大学を卒業後、オックスフォード大学にて博士号取得。2002年から2005年にかけて大統領生命倫理評議会委員。1980年代のリベラル=コミュニタリアン論争で脚光を浴びて以来、コミュニタリアニズム(共同体主義)の代表的論者として知られる。類まれなる講義の名手としても著名で、中でもハーバード大学の学部科目“Justice(正義)”は延べ14,000人を超す履修者数を記録。あまりの人気ぶりに、同大は建学以来初めて講義を一般公開することを決定。日本ではNHK教育テレビ(現Eテレ)で『ハーバード白熱教室』(全12回)として放送されている。著書『これからの「正義」の話をしよう』は世界各国で大ベストセラーとなり、日本でも累計100万部を突破した。ほかに『それをお金で買いますか』『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業』(以上早川書房刊)などの著作がある。2018年10月、スペインの皇太子が主宰するアストゥリアス皇太子賞の社会科学部門を受賞した。

写真(禁転載)(C)Hiroshi Hayakawa

これからの「正義」の話をしよう──いまを生き延びるための哲学
それをお金で買いますか──市場主義の限界
ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業 上
実力も運のうち 能力主義は正義か?
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.1 1,618
5つ星のうち4.1 630
5つ星のうち4.4 194
5つ星のうち4.2 1,326
価格 ¥990 ¥1,034 ¥924 ¥2,200
書籍紹介 「1人を殺せば5人が助かる。あなたはその1人を殺すべきか?」。正解のない究極の難問に挑み続ける、ハーバード大学の人気哲学講義"JUSTICE"。経済危機から大災害にいたるまで、現代を覆う苦難の根底には、つねに「正義」をめぐる哲学の問題が潜んでいる。サンデル教授の問いに取り組むことで見えてくる、よりよい社会の姿とは? NHK「ハーバード白熱教室」とともに社会現象を巻き起こした大ベストセラー、待望の文庫化。 刑務所の独房を1晩82ドルで格上げ、インドの代理母は6250ドル、製薬会社で人間モルモットになると7500ドル。あらゆるものがお金で取引される行き過ぎた市場主義に、NHK「ハーバード白熱教室」のサンデル教授が鋭く切りこむ。「お金の論理」が私たちの生活にまで及んできた具体的なケースを通じて、お金では買えない道徳的・市民的「善」を問う。ベストセラー『これからの「正義」の話をしよう』に続く話題の書。 遭難した男たちが生き延びるため少年を殺して食べたとき、その行為は道徳的に許されるのか? ハーバード大学の人気教授マイケル・サンデルは、鋭い問いかけで現代社会の中にひそむ「正義」の問題を取り出し、刺激的な議論を繰り広げる。その彼の話題の講義が待望の文庫化! NHK教育テレビで放送された「ハーバード白熱教室」の第1回~6回、および東京大学特別授業の前篇「イチローの年俸は高すぎる?」を収録する。 出自に関係なく、人は自らの努力と才能で成功できる――能力主義(メリトクラシー)の夢は残酷な自己責任論と表裏一体であり、「勝者」と「敗者」の間に未曾有の分断をもたらしている。この難題に解決策はあるのか? ハーバード大の人気教授の新たなる主著

商品の説明

出版社からのコメント

「現代社会の怒りや悲しみの根源が理解できる。この事実が理解できないリーダーは怒りを受け続け悲しみを癒すことができないだろう」
――為末大(元陸上競技選手)

「宗教改革からトランプまで、社会思想からスキャンダルまで、きわめて幅広く目配りし、メリトクラシーが社会に及ぼす問題を深く論じたものとして、本書は抜きん出ている」
――本田由紀(東京大学大学院教育学研究科教授、本書解説より)

「鋭く、洞察に満ち、温かい。今こそ必読の書」
――タラ・ウェストーバー(『エデュケーション』著者)

「右派も左派もみんな本書を片手に着席し、真剣に議論しなければならない」
――ニューヨーク・タイムズ紙

著者について

■著者紹介:マイケル・サンデル (Michael J. Sandel)
1953 年生まれ。ハーバード大学教授。専門は政治哲学。ブランダイス大学を卒業後、オックスフォード大学にて博士号取得。2002 年から2005 年にかけて大統領生命倫理評議委員。1980 年代のリベラル=コミュニタリアン闘争で脚光を浴びて以来、コミュニタリアニズム(共同体主義)の代表的論者として知られる。類まれなる講義の名手としても著名で、ハーバード大学の学部科目“Justice(正義)”は延べ14,000 人を超す履修者数を記録。あまりの人気ぶりに、同大は建学以来初めて講義をテレビ番組として一般公開することを決定。日本ではNHK 教育テレビ(現E テレ)で「ハーバード白熱教室」として放送された。著書『これからの「正義」の話をしよう』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)は世界的ベストセラーとなり日本でも累計100 万部を突破。

登録情報

  • ASIN ‏ : ‎ B0922GS8SL
  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (2021/4/14)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2021/4/14
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ファイルサイズ ‏ : ‎ 1.0 MB
  • Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) ‏ : ‎ 有効
  • X-Ray ‏ : ‎ 有効
  • Word Wise ‏ : ‎ 有効にされていません
  • 本の長さ ‏ : ‎ 391ページ
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち4.2 1,326個の評価

著者について

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M.J.サンデル
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お客様のご意見

お客様はこの著者の哲学書について、以下のように評価しています: 内容については、良質な参考書として高く評価されています。叡智を磨くはなんのためなのか、能力主義について考えさせられる本だと感じています。また、現代社会を的確に捉えているという意見もあります。 一方で、翻訳の問題点も指摘されています。訳がひどいため、難しく読むのに苦労するといった声があります。 また、著者の哲学の本としては分かりやすいと好評です。ただし、読み終わるとモヤモヤするという指摘もあります。

お客様の投稿に基づきAIで生成されたものです。カスタマーレビューは、お客様自身による感想や意見であり、Amazon.co.jpの見解を示すものではありません。

15人のお客様が「内容」について述べています。15肯定的0否定的

お客様はこの書籍について、良質な参考書だと評価しています。気づきの書籍や気楽に読める本として高く評価されています。また、アメリカの富裕層の実情を垣間見ることが出来ると好評です。ただし、社会的な硬直性を感じない点も指摘されています。

"...日本ではトランプ大統領が再選されることがどうにも理解しがたいと思っている方も多いと思う。僕もその一人である。本書は、かような方が読むのに値する一冊である。 本書で描かれるのは「能力主義」の強い副作用であり、それを担保する学歴主義の毒性 である。..." もっと読む

"読み応えのある本です。宗教的な背景など、理解できないところも多くありましたが、不平等、格差の拡大の要因を分析しています。 この本に書いてある通りなら、いい方向に進むとは考えられず、持続可能なのか?と感じます。..." もっと読む

"内容は素晴らしいです。 ほとんど読んでませんが。 運も実力のうちではなく 実力も運のうち。 才能も運! 頑張れるのも運! 自分が関与できるものなんて..." もっと読む

"...願書に磨きをかけたり、課外学習の成果が受験に求められない以上、日本は良い学歴を手に入れやすいように思います。良質な参考書もネットですぐ買えちゃいますし、そこまで社会的な硬直性は感じないです。 低学歴な人は努力してなかったんだねという感じ。..." もっと読む

8人のお客様が「学力」について述べています。8肯定的0否定的

お客様はこの書について、叡智を磨くためなんのために学んだのか、能力主義について考えさせられる本だと評価しています。大学は何のためにあるのか、能力主義について考えさせる内容で、頭のいい人向けと高く評価されています。また、通常社会に於ける人間としての向上心や、ハンディを抱えている人の共生社会を認め合う必要性についても触れています。

"読んでる最中ですが、政治哲学者の著書ですので少し理解できない部分もありますが、そういうものなのかという感じはします。面白いと思います。是非、こういう世の中ですので読んでもらうとはやり病の中での書の一冊に。" もっと読む

"テレビの番組を拝見して、読みたくなりました。まだ読んでいませんが、きっと良い知恵を授けられるだろうと思っています。" もっと読む

"...ゆえに狭い範囲で仲間を作りたがり仲間以外の人に対しては差別的。(共和党支持者が多い) ②リベラリスト→学力が高く、エリート。個人に自信があるので集団主義者のような狭い枠に囚われない、肌の色や国籍で人を差別しない。(民主党支持者が多い) である。..." もっと読む

"生まれ持った才能を使い、努力を積む。その行為が尊いからこそ、報われ、富を与えられる。 ひとりの人のサクセスストーリーを読むなら感涙ものですが、そこには色々な落とし穴があることを丁寧に説明してくださいます。..." もっと読む

6人のお客様が「視点」について述べています。6肯定的0否定的

お客様はこの書籍について、驚く視点から述べられており、現代社会を的確に捉えていると評価しています。また、能力主義や功績主義の行く先についても明示されているという意見もあります。

"現代社会を的確に捉えていると感じた。本書の中で一番驚いたのは、能力主義または功績主義の 行く先は以外と最初の段階で明示されていたと言うこと。イギリス人の先進性を持った見方は凄いと素直に言える。 だが広がる格差を是正するのは難しい。" もっと読む

"中々できない視点です。そんな風には全く思っていなかったといった視点のつくり方が独特でとても勉強になりました。" もっと読む

"社会の改善と公平性の追求に向けた議論を深め、読者に新たな視点を提供しています。..." もっと読む

"簡潔でかつ深みのある内容でぐいぐい読み進んでいける..." もっと読む

3人のお客様が「分かりやすさ」について述べています。3肯定的0否定的

お客様はこの哲学の本について、シンプルさと分かりやすさを高く評価しています。著者の哲学が分かりやすく、上に書いたこと以上のことは書かれていないと好評です。また、NHKで討論を観てファンになったという声もあります。

"...全部自分の実力だと思う人が 多いことへの警鐘です。 本書に込められた、「いいたいこと」はシンプルだし、上に書いたこと以上のことは書かれていない。 一言で言えば1分でまとめられる内容。..." もっと読む

"この教授の哲学の本は分かりやすいので、過去にNHKで討論を観てファンになった。今回で彼の本は5冊なる。" もっと読む

"簡潔でかつ深みのある内容でぐいぐい読み進んでいける..." もっと読む

9人のお客様が「翻訳」について述べています。0肯定的9否定的

お客様はこの本の翻訳について不満を感じています。訳がひどく、難しく読むのに苦労するという指摘があります。また、読み終わるとモヤモヤする点も指摘されています。

"アメリカは何故トランプ大統領なのか? 検索でこの本にたどりつき図書館でかりて最後まで読んだ。私には読み込むのが大変難しい本でした。しかし、ぜひ読み返したいと思いAmazonで購入した。プロローグを読んだら第7章を先に読んで興味がわいたら最初から読んだらいいかもしれない。" もっと読む

"...難しく読むのに苦労 このような英語の論説は翻訳が難しく、訳の分からない日本語になりがちだが日本語自体は悪くないものの、いかんせん元の英文が抽象概念を説く内容なので、日本語に訳す同僚難解な文章になりがち。英語力ある人なら原文で読んだ方が理解できるかも" もっと読む

"訳がひど過ぎて、使われてるのは日本語の単語だけど、文章としてはでたらめ、意味不明。 どんな翻訳家なのか顔が見てみたい。おそらく、英検3級レベルのパートの主婦とかだと思う。" もっと読む

"兎に角、訳が上手くないので読みにくい。 ストレスが溜まる。 内容としては 運至上主義の立場としてそうだろうなぁと思うところが多々あって興味深かった。" もっと読む

コロナ禍も咬んでいる現代書
星5つ中4つ
コロナ禍も咬んでいる現代書
仕事に悩んでる人は最後のページにある種のの救いを感じとれるかも
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2025年2月1日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    アメリカは何故トランプ大統領なのか?
    検索でこの本にたどりつき図書館でかりて最後まで読んだ。私には読み込むのが大変難しい本でした。しかし、ぜひ読み返したいと思いAmazonで購入した。プロローグを読んだら第7章を先に読んで興味がわいたら最初から読んだらいいかもしれない。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2025年2月6日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    マイケルサンデルとピケティの「平等について」を読んだことで本書も読む機会を得た。
    日本ではトランプ大統領が再選されることがどうにも理解しがたいと思っている方も多いと思う。僕もその一人である。本書は、かような方が読むのに値する一冊である。

     本書で描かれるのは「能力主義」の強い副作用であり、それを担保する学歴主義の毒性
    である。「学歴主義」というより「教育主義」という言い方の方が正しいのかもしれない。

     数ある考え方の中で「教育の平等」を主張する意見は多い。「出自や経済力に拘わらず、
    教育を受ける権利は平等にあるべきだ」という意見に対して反論する人もそんなにいない
    と思われる。但し、そこに毒が仕込まれていたということを今回本書を読んで痛感した。
    端的にいうと「教育」に対する無邪気な「信仰」があるということなのだと僕は理解した。

     「教育の目的は能力の向上である。能力を獲得した人とは教育を通じて自己研鑽した方で
    ある。能力を獲得した方は優れている。能力を獲得できない方は自己努力が不足していたと
    いうことだ。結果として人の優劣につながっていく」。というようなロジックを辿って
    いってしまうのではないかということが本書の基本線だと僕は読んだ。

     最大のポイントは「人の優劣につながっていく」点にある。教育信仰が人の優劣を「決める」
    ような状況の中で、例えば低学歴の方は低学歴である為に「劣っている」とされ、何より
    その人の中で内面化されてしまう。そんな多くの方々にとって従来の為政者とは優越的な立場
    からの上から目線で自己責任を問いかけてくる存在に見えるのではないか。そこにトランプ
    大統領のような「従来のヒエラルキーを破壊してくれそうな方」が登場してきたら拍手喝采で
    迎えてしまうのではないか。

     そんなことを思いながら読了した。著者の現状解説は立て板に水だ。しかし、解決策は
    なかなか見つからない。
    7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2025年1月21日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    成功の背景にある「運」の役割を深く掘り下げる一冊です。本書の中心テーマは、能力主義という価値観がいかに社会の分断と不平等を助長しているかという問題です。

    成功の背後にある「運」の影響

    私たちはしばしば、成功は努力と才能の結果だと信じがちです。しかし、本書はそれが一部の真実に過ぎないことを示します。家庭環境、教育機会、経済力といった要素が個人の成功に与える影響は計り知れません。これらは個人の意思や努力でどうにもならない「運」の領域に属します。

    たとえば、アメリカのアイビーリーグ大学への進学は能力主義の象徴とされていますが、実際には裕福な家庭の子供が圧倒的に有利な条件に恵まれています。高額な学費や予備校への通学費用、そして文化的なサポートが、進学率を大きく左右しています。このように、能力主義が公平性を損なう構造を抱えていることを、本書は具体例を通じて明らかにしています。

    能力主義が生む分断とその克服への提案

    本書はまた、能力主義が社会にどのような分断をもたらしているかを詳細に分析しています。成功者はしばしば、自らの成果を正当化し、失敗者には「自己責任」というレッテルを貼る傾向があります。この結果、失敗者は自信を喪失し、社会全体には対立と不満が蓄積されます。

    サンデルの提案する大学入試の抽選制度は、この問題を解決するための象徴的なアイデアです。一見極端に思えるかもしれませんが、この制度は現行の不平等な選抜システムに対する挑戦として注目に値します。すべての人に平等な機会を与えるという視点から、能力主義の限界を再考するきっかけを提供しているのです。

    『実力も運のうち 能力主義は正義か?』は、能力主義の光と影を浮き彫りにし、社会の公平性について深く考えさせられる内容です。成功を自分だけの手柄と考えるのではなく、運や環境の影響を再評価する視点を持つことが、社会全体の調和につながるのだと本書は教えてくれます。

    努力がすべてではないという事実に目を向け、公平な社会を築くためのヒントを得たい方に、ぜひ読んでほしい一冊です。
    7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2025年4月6日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    第2期トランプ政権が発足したまさに今の現状も分析してほしい。
  • 2024年9月7日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    能力主義について、さまざまな論点から詳しくていねいに書かれていて、とてもよかったです。
    能力主義といっても、簡単ではないことがよく分かります。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2025年2月21日に日本でレビュー済み
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    メリトクラシーを政治的、教育的、経済的な観点から顕在化させ、分断に至った経緯を分かりやすく解説してくれた。
    特に印象的だったのは、分断された両者とも幸せになっていないということだ。
    勝ち組は競争に駆られ精神を病み、負け組は自己責任という侮辱を受けている。
    メリトクラシーという社会システムの異常さがひしひしと伝わってくる一節だった。
    生来的に悪と善の人間が存在しているわけでは無いこと、善と悪の価値観は個人によって幅があること、だからこそ議論が必要なこと、そのために全人類が交流の中で学べる場所と機会が必要なこと、そして何より各人が異なる背景を持った人々の痛みを知ろうとすること、その努力が現代社会に必要なことだと教えてもらった。

    星4にした訳は、メリトクラシーに変わる具体的で効果的な解決策が示されていない点、それに対する今後の期待も込めての評価だ。

    もっとも、意識を変えていくことを求められているのは我々一個人の方ではあるが。
    3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2024年9月19日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    著者の代表作である、『これからの「正義」の話をしよう』と同様に、「共通善」とは何かについて書かれており、本作は行き過ぎた能力主義に対し、一石を投じています。
    本来、渡世には高尚も下劣もなく、皆が生きて行くために仕方なくしているもの。それにも拘わらず、需要と供給の不均衡によって、或る特定の職業にだけ高給が支払われています。賃金の多可だけでは、本当のエッセンシャル・ワークは分からないというのが、我我がCOVID-19から学んだ、最上の教訓ではないでしょうか。『オセロ』のイアーゴーのように、自力で世界を変えられると狂信する者は、シェイクスピアの生きてた時代には忌避される存在だった筈ですが、能力主義が跋扈する中で、一般的な評価が逆転してしまったようです。
    因に、キリスト教プロテスタントの反知性主義やリバイバリズムの考え方が背景にあるので、森本 あんり さんの著作が本書をより良く理解する上での手掛かりになりました。
    11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2025年2月11日に日本でレビュー済み
    ほとんどは米国に関する内容で、日本の話は殆ど出てきませんが、
    世界的に共通するテーマについて書かれています。
    新自由主義、グローバリゼーションによって生じた問題点を鋭く追求する内容です。
    中身としては、そんなに難しくありませんし、同じことを角度を変えて何度も言っているような印象も受けるのですが…
    にも関わらず、読みにくいのは翻訳の問題なのでしょうか?
    「結局、何が言いたいの?」と感じる箇所が頻繁にありました。

    タイトルの「実力も運のうち」については、ちょっと考えることができる人なら、とっくに気づいていることだと思います。
    しかし、日本人には、いまだに自己責任論を主張する人が多い。
    日本人はやはり考えることが苦手なんでしょうか。

    ところで、日本でもグローバル化が言われ始めた頃から「金を不浄なもの」とする文化を間違いだと主張する人が増えました。
    しかし、改めて考えると、社会を安定させるための日本人の知恵だったんじゃないでしょうか。
    3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート

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