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カルトローレ (新潮文庫) 文庫 – 2010/12/24
長野 まゆみ
(著)
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謎の航海日誌「カルトローレ」を託された青年・タフィ。彼はかつて大空を航行していた巨大な《船》の乗員だったが、《船》は空から沈み、乗員たちは地上に帰還したという。その理由は。他の乗員たちの運命は。幾重にも折り畳まれた記憶の迷宮が開く時、《船》とタフィの出自の秘密が明らかになる──。豊かな想像力を駆使して硬質な物語を創造してきた著者による数奇で壮大な最高傑作。
- 本の長さ369ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2010/12/24
- 寸法10.5 x 1.5 x 15 cm
- ISBN-104101139520
- ISBN-13978-4101139524
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 文庫版 (2010/12/24)
- 発売日 : 2010/12/24
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 369ページ
- ISBN-10 : 4101139520
- ISBN-13 : 978-4101139524
- 寸法 : 10.5 x 1.5 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 548,657位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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- 2020年12月27日に日本でレビュー済みAmazonで購入自分でも1冊持っていて、結構大切に扱っていましたが、スペアのつもりで注文したこの本がものすごく美しい状態で届きました。これは保管用に格上げしたいと思っています。
- 2019年8月3日に日本でレビュー済みAmazonで購入図書館で借りて読んで、物語がとても好きになったので購入しました。
安かったのであまり期待はしなかったのですが、新品同様のキレイな状態のものが手に入ったので嬉しかったです。
- 2008年7月3日に日本でレビュー済みこの著者の作品を読むのは 『メルカトル』以来この本で2作目です。
題名のカルトローレは著者の造語です。イタリア語の文語で「カルトラーレ」(cartolare)日誌、航海日誌の意味だそうです。
SFファンタジーというか寓話、幻想世界のお話しです。全編、レトロな感じで且つ未来的な空気の中で穏やかに話が進み、恋愛も衝撃的な事件も起こらず淡々と話しが進みます。この物語の幻想小説にすんなり入り込めることが出来ればいいですがリアルさの拘りを持っているとかなり読み進めるのに苦労します。
主人公のタフィは、《船》で十八歳まで育ち、それから救済委員会の手に委ねられ、沙漠の土地のキビ色の沙地の白い家で暮らすこととなる。製本組合から奨学金を得た彼の仕事は、≪船≫の人間が残したとされる、全頁糊付けされてパイ生地のようになった109冊のた航海日誌「カルトローレ」を解読することだ。
そこに現れたのは、琥珀色の肌の少年ワタ、蜜色の髪に淡緑色の肌の青年エルジン、移民局の役人コリドー。
タフィは、頭に残る≪船≫での曖昧な記憶との間で揺れながら、タッシル語を話すどこの国とも言えない不思議な場所で日々の生活を開始する。≪船≫とは宇宙船で、他の星に難破したSFファンタジーと読んで見ても話しは繋がりそうで詠み人の想像力を試されているような299ページでした。
やたら見かけるタッシル語の標語「亀の甲羅に落書きするな。人生をあやまるから」は13章で標準語の「神は吾らに楽をするなと仰せになる。人生をあやまらぬために」の皮肉をこめた云いまわしと解る部分は面白い。
「限られた空間で暮らすには隣人と争わず干渉しない心がけが必要だ。人があつまれば中心点のない話題をえらぶようにする
・・・同席者の意見に反対も同意もせず話しをつなぐすべは・・・しりとりをすればよい。」とか「卵を割って料理も出来ない女は破談したほうがよい」とか随所にうなずける場面があり楽しめる。
サン=テグジュペリの「星の王子様」の世界とも似た雰囲気に浸りながらよみました。109冊のうち1冊のみ残して自然発火で消失は、「108冊は煩悩の数なので数のうちにはいらない 」(著者談)はすぐ想像できた。
- 2013年7月18日に日本でレビュー済みAmazonで購入ヨーロッパ文化とアラブ文化の両方の影響を多く受けた北アフリカが舞台のように想像されるも、あくまでも架空の世界。その生活様式や、出てくる料理の数々が素敵で、簡単なお料理など思わず真似をして作ってみたくらい。この、現実の生活を想像させながらもを空想の世界を浮遊する長野ワールドがやっぱり好きです。
- 2009年3月9日に日本でレビュー済み長野さんの本は、いつも装丁も素敵。
この本も装丁、表紙がとても綺麗。アンティークのようなさまざまなレースが美しい。
独特の渇いた文体。淡々とした語りに浸るうち、またしても長野さんの世界が私を摂りこみ
軽い船酔いにも似た感覚を得る。
キビ色の沙漠にある自治区、タッシルを舞台に繰り広げられる幻想的な話。
近未来と思しき世界と、遙か古代がぴったりと寄り添ったような世界が
渾然一体となって在る。
地上と関わらずに数百年もの間、独自の文化を育んだ《船》。
地上の生活と職業のための適応化プログラム。
《船》の人間が残したらしい109冊の全頁糊付けされた航海日誌「カルトローレ」。
それを解読するのが仕事の、主人公タフィが語り語る世界は、なんとも不可思議だ。
《船》の記憶。図案室。編み物の設計図。伝承される紋様。水を操る少年ワタ。
呪術めいたできごと。刺繍の意味……キーワードがうねり、絡みあう。
タフィが関わることになる人々も、どこか翳りを持ち、はっきりとした像を結ばない。
登場人物たちの結構アクティブな動きがあるのに、物語世界の印象は“静”。
たゆたい流れ、浮かんでは消えるがごとき語り。
存在の不確かさということが満ち満ちた物語だ。
沙(すな)が風紋を刻々と刻むように、変容し続ける物語の揺れが
心地よかった。
- 2010年10月20日に日本でレビュー済み長野まゆみさんの作品の多くは、ぼーっとして読んでいてもうっとり読める、疲れた頭に有り難いものが多いが、この作品はいつもの倍以上は出てくる華麗な装飾とうまそうな美しい食品で満ちあふれているため、ぼんやり読んでいると、わたしのような国語6ぐらいの読者はメインストーリーを見失うだろう。それでもテレビジョン・シティあたりほど難解でもないので、そんなにシャカリキで頑張らなくてもなんとか理解は可能だ。字が小さめでいっぱい印刷してある…ということはいつもより長いのだろう。世界観と固有の定義が目に馴染むとさらさらと一気によめるようになり爽快なのだが、慣れるまで一苦労だ。逆に言えば複数回読んでも楽しめて、おいしい作ということになる。
長野まゆみさんの作品はたまに読み終わった後ものすごく物悲しくなったり後味がわるかったりするものがあるが、この作品はなんというか、ほんのりとした愛のようなものが全体に行き渡っていて「大切に愛されている」という読後感が残る。それは主人公だけでなく主要人物が4人ともそうで、心地よく読み終われた。
装丁も美しいので、本棚に欲しい一冊。少年アリス以来、久しぶりにハードカバーで欲しいと思った。
- 2015年12月5日に日本でレビュー済み長野まゆみさん好きなのですが、この作品は広げた風呂敷を放置…なんですよねぇ。
過去の船や巻物の謎が、結局謎のまま終わってしまって非常に残念。
これだけ長い物語なのだから何かの解決が欲しかったです。
描写はとても綺麗です。
