本書の構成は、先日出版された「細野晴臣と僕らの時代」や近田春夫「調子悪くてあたりまえ」に近い、時系列で語られた文章びっしりの形式。
とにかくYMOを語り尽くしてやろう、といった、勢いのある内容で、かといってオタク向けな情報満載な感じではない。写真も控えめ。それなりな新事実はあるものの、あおりにあるほど大袈裟ではない。一般的な読み物としてうまく構成された、YMOを題材にしたエッセイというべきか。
本書について、特筆すべきは、70、80年代の現役YMO時代の話が本書の前半、それ以降が後半だということ。
多分ほとんどのYMOファンが知りたい内容はきっと前半だと思う。
あの時の音作りは?
ライブのバックステージは??
不仲の原因は???
未だに、Spotifyなどの再生回数でも圧倒的に多いのは現役時代のもの。当時はビジネス繋がりの3人だったとはいえ、ぶつかり合いや諍いもあったとはいえ、その当時の切磋琢磨しながら作り上げられた彼らの作品が、何故か今も輝いているのは否めない。それほど優れた彼らだったし、特別な時代だった。
けれども後半。アンビエントな90年代、2000年代、そして現在のYMOに関する記述を読むにつれ、YMOは今も形を変えて主張し続けていることに気付かされた。
それはかつて世界の中の日本人としての主張、新しい音楽スタイルの主張、高いシンセサイザーを使ったリッチな主張というようなことが、地雷、原発反対などに変わっただけで、その時その場でその立場で主張してきたYMOがいる。
たとえ一般的には伝わらなくとも。
そして何より、今の彼らは仲が良い。
結成当初のこたつに3人、おむすびにミカン。
これらが、真の意味で似合うようになった3人が今はいる。すっかり好々爺になっても、かつてのピコピコな刺激的で斬新な音楽をクリエイトしなくとも、仲の良さを主張するような彼ら3人が、今この地球のどこかにいるのが、なんとなく嬉しいなー。
結局イエローマジックとは、シンセサイザーや斬新なスタイルが無くとも世界中に発信できる何か!
それらが形を変えて今存在している。
なぜ今も存在しつづけられるのか。そんなこんなが記述された、本書の後半部分、つまり近年の彼らについては、いままでのファン本ではあまり積極的には語られてきていなかっただけに、なかなかに新鮮でした。
音としての刺激を感じなかったため、あまり聴かないでいたNo NUKES2012なども、本書後半を読み終えていた今なら自然に聴けるかもしれない。
刺激だけではないYMOを聴いてみたい。そんな心境を芽生えさせてくれた本書に感謝。amazon特典の曲目リストも嬉しかった。
ところで本書によると、魔法は2043年までは続くと書かれているが、なにせYMOは裏切りつづけてきましたから。
どんな形にせよ、大好きなYMO。
黄色い魔法はまだまだ続くと信じたい。
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YMO1978-2043 (角川書店単行本) Kindle版
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本書は、YMOが結成された1978年から「散開」した1983年直後までを第1部、再生を果たした1992年から2021年初頭までを、第2部としている。
第1部は、当時の国内外の資料をあらためて精査した上で、多くの関係の方々を取材して得た証言から構成している。
1970年代末から1980年代初頭の日本にYMOという稀有な存在がどのように誕生し、当時の社会情勢の中でなぜ広く受け入れられ、さらに前例のない形での海外進出を果たすことができたのか。
ぼくはその当時は地方都市に暮らす10代で、遠い外部から憧憬の眼差しで見つめたかつてのYMOの姿を今回あらためて凝視し直したとも言える。
ここでは、1980年代から1990年代にかけて構築され、ほぼ完成されていたYMOに関する「神話」を一度頭から追い出して、フラットな気持ちで事実を追い、情報の確認もしたつもりだ。当時、海外からYMOはどう見えて、どう捉えられていたのかも調べてみた。
第2部の1990年代から現在までは、幸いにも取材者としてYMOとそのメンバーたちに接することが多く、何度かの海外公演にも立ち会うことができた。
その際に得た本人たちの証言や感慨を原稿に多く組み入れることで、この第2部ではメディアなど第三者のフィルターを通したYMOではなく、自分の目で見て、自分の耳で聞いた事実や言葉を中心に内容を組み立てることができたのは僥倖だった。内部ではないが、そこに近い視点からYMOの新しい歴史を追ったつもりだ。
(「はじめに」より)
知られざる新事実も満載
■はじめに
■第1部 1978‐1983(全13章)
■第2部 1992‐2021(全15章)
■おわりに
■YMO作品リスト ■YMO年譜 ■引用発言出典一覧
第1部は、当時の国内外の資料をあらためて精査した上で、多くの関係の方々を取材して得た証言から構成している。
1970年代末から1980年代初頭の日本にYMOという稀有な存在がどのように誕生し、当時の社会情勢の中でなぜ広く受け入れられ、さらに前例のない形での海外進出を果たすことができたのか。
ぼくはその当時は地方都市に暮らす10代で、遠い外部から憧憬の眼差しで見つめたかつてのYMOの姿を今回あらためて凝視し直したとも言える。
ここでは、1980年代から1990年代にかけて構築され、ほぼ完成されていたYMOに関する「神話」を一度頭から追い出して、フラットな気持ちで事実を追い、情報の確認もしたつもりだ。当時、海外からYMOはどう見えて、どう捉えられていたのかも調べてみた。
第2部の1990年代から現在までは、幸いにも取材者としてYMOとそのメンバーたちに接することが多く、何度かの海外公演にも立ち会うことができた。
その際に得た本人たちの証言や感慨を原稿に多く組み入れることで、この第2部ではメディアなど第三者のフィルターを通したYMOではなく、自分の目で見て、自分の耳で聞いた事実や言葉を中心に内容を組み立てることができたのは僥倖だった。内部ではないが、そこに近い視点からYMOの新しい歴史を追ったつもりだ。
(「はじめに」より)
知られざる新事実も満載
■はじめに
■第1部 1978‐1983(全13章)
■第2部 1992‐2021(全15章)
■おわりに
■YMO作品リスト ■YMO年譜 ■引用発言出典一覧
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2021/3/12
- ファイルサイズ20210 KB
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商品の説明
著者について
●吉村 栄一:1966年福井市生まれ。80年代終りに月刊誌『広告批評』編集者に。同誌発行人・編集長の故天野祐吉氏、故島森路子氏に薫陶を受ける。90年代初めにフリーランスの編集者、ライターとなり、主に音楽、スポーツ、カルチャー方面での仕事を手がける。主な編著書に『YMOピリオド』(94年徳間書店)、『これ、なんですか? スネークマンショー』(02年・新潮社)、『坂本龍一 いまだから読みたい本』(11年・小学館)、『戦場のメリークリスマス 30年目の真実』(14年・東京ニュース通信社)、『龍一語彙』『40ymo』など。
登録情報
- ASIN : B08XM4TLDB
- 出版社 : KADOKAWA (2021/3/12)
- 発売日 : 2021/3/12
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 20210 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 528ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 290,643位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 8,961位アート・建築・デザイン (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
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梱包前のチェックが甘いと思います。
新品なのに角が潰れた本が届いてとても残念でした。梱包に外傷はありませんでしたので、おそらく梱包前の損傷でしょう。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年3月14日に日本でレビュー済み
約300ページ、写真やイラスト等はほとんどなく
上下2段で文字は文庫本サイズ程度ですので、文字量はあります。
坦々とYМО史を記した感じで、あまり文章に強弱もなければ
著者個人の見解等も書かれていないため、坦々と読む感じです。
関係者のインタビューは長く書いてなく、断片的に文章に散りばめられています。
追記:一時期、BGMに別バージョンのHAPPY ENDが収録されていたことを初めて知りました。
上下2段で文字は文庫本サイズ程度ですので、文字量はあります。
坦々とYМО史を記した感じで、あまり文章に強弱もなければ
著者個人の見解等も書かれていないため、坦々と読む感じです。
関係者のインタビューは長く書いてなく、断片的に文章に散りばめられています。
追記:一時期、BGMに別バージョンのHAPPY ENDが収録されていたことを初めて知りました。
2021年4月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
信者のためのヒストリー本って印象。事実より筆者の憶測推測が多いです。
2022年9月19日に日本でレビュー済み
時系列によくまとまっており、同時代を生きた熱心なYMOファンでも知らなかった事実が満載。
ただし、タイトルに記した通りお値段がいささか高い。
4分冊にして、早期の文庫化をお願いしたい。
ただし、タイトルに記した通りお値段がいささか高い。
4分冊にして、早期の文庫化をお願いしたい。
2021年4月23日に日本でレビュー済み
YMOファミリーを自認する編集者の方々は、まだ手が付けられていない仕事が残っている自覚がおありか。ソニーから再発がはじまった際だったと思うが、『Yellow Magic Orchestra Weekly Magazine』という名称の課金制コンテンツがネットで見られたと思う(名称等記憶に間違いがあったらご容赦を)。広範囲に及ぶ関係者の話、それもまさに当事者だった人たちの生の話はたいへん貴重なものだったと記憶している。いずれ書籍化されるものだとばかり思っていたが、その後いまだそういった話は聞かない。もし書籍化されたなら、まさに第一級の資料集になると思う。そういった意味での、YMOの歴史を総括した書籍を多くのファンは待ち望んでいるのではないか。ま、私があの『Weekly Magazine』をそれだけの価値があると思い、もう一度読みたいというだけなのだが。編集者の皆さま、どうか頼みます。
2024年7月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
YMOに関しては、長年インタビュー記事を読み漁ってきました。
そんな私からすると概略と言った感じです。
まだ明かされてないエピソード等を読めるのかと期待しましたが
何もありませんでした。
そんな私からすると概略と言った感じです。
まだ明かされてないエピソード等を読めるのかと期待しましたが
何もありませんでした。





