ウォルフガング・ティルマンスは、ドイツ出身のアーティストとしても、写真家としても初めて、英国の権威あるターナー賞を受賞し、最近ではドイツの雑誌「ART」で「ミスター・時代精神(Mr. Zeitgeist)」と呼ばれるまでになっている。友人や若者文化の住人たちのポートレート、静物、洋服のイメージ、「コンコルド」シリーズなどのような最もよく知られた写真は、世界中の展覧会や雑誌などで発表されてきた。ティルマンスの作品を本格的に論評した本書は、彼をジェネレーションXや若者文化のドキュメンタリー写真家以上の存在とし、主に未発表の写真を紹介している。プリント過程で光を操作した風景や都市景観や、ネガなしで印画紙に光をあてることだけで制作した作品、そのほかの抽象的な作品などである。また本書には、ティルマンスが自然やありふれた人工的なものの中に抽象的な性質を見出している、よく知られた作品も収録されている。『Walfgang Tillmans』は、同世代の中で最も有力なアーティストであるティルマンスに関する注目すべき1冊である。
「彼の写真は、流行に敏感な若者世代の形式ばらない気楽さを捉えている」--Mark Irving(インデペンデント紙)
「私は偶然性など信じないし、私の作品のなかにスナップ写真があると思わないでほしい。また、私はとてもすばやく、衝動的に仕事をするわけではない。私の仕事は写真を撮るだけでは終わらないのだ。私の仕事はひとつのものを作るという具体的な過程である。心と技能を傾けて、それを自分の思う通りに形作る。おそらく私の全作品は、何かが臨界質量に達し、認識可能となるときを表現しているのだ。どういう時にものは意味を持たず、どういう時に意味を持つことになるのだろうか?」--ウォルフガング・ティルマンス
ウォルフガング・ティルマンスは1968年、ドイツ生まれ。ボーンマス・アンド・プール芸術デザイン学校で1990年代初めに学び、それ以降世界中の主要な展覧会で作品を発表し続けている。2000年には現代アーティストに与えられる最も権威ある英国のターナー賞を受賞。現在はロンドンを拠点に活躍中。
Zdnek Felix(編集) Rudolf Schmitz, Giogio Verzotti(文)
200色 24x28センチ
(Book Description)