この書籍、部分最適化はできているが全体最適化がダメダメな見本のような本。
各ページは普通の理解のしやすさです。
しかし、この書籍全体のフローのゴチャゴチャ感は尋常ではありません。
おそらく4人が共著した影響が大きいものと思われます。
とにかく個々の著者が好きなことをあちこちと所構わず書いている印象です。
一応チャプター (章立て) はありますが、ほとんど意味を成してません。
制作のフローなんて全く見えてこない書籍です。
「なぜこの話題がここにあるのか」「なぜ今ごろになってこの話題を持ち出すのか」
「この話はあそこの段階でまとめておけばスムースに理解できる話じゃないか」
といったイライラのオンパレードです。
実際の制作フローに合わせて、それぞれの話題を機能的に組み込むと
すんなりと把握できるはずなのですが、それが全くできてないのです。
ユーザ視点に全く立っていない書籍と言えます。それぞれが好きなことをやって
誰もそれを流れとして理解できるように機能的にまとめてないのです。
同じようなテーマがバラバラの視点で隣り合っていたり、
別の章にダブって登場したりとカオスの極み。
4人の文章を集めて適当にくくって、はいどうぞ、という書籍。
料理でいうと、フランスのコース料理の、前菜・スープ・パスタ・肉・コーヒー
を全部一つの皿に放り込んでしまったような状態。
さらに言えば、個別テーマの内容も抽象的な単語が多く疲れます。
読み手に認知負荷を与える記述が多すぎて、UXやUI的にも質の低い書籍です。
ディレクションの内容は広範囲に及ぶので、
もともと一冊の中で個々の話題の深掘りには限界があります。
個々のテーマを全体のフローに組み込みながら
順序立ててわかりやすく伝えることは重要なことだと思います
この書籍が役に立つという感想を持つ方もいるようですが、
おそらく部分だけを理解したという方が多いのではないのでしょうか。
共著は否定しませんが、共著の場合は全体を機能的にまとめるための
事前の設計と質の高い編集が必要です。WEBサイトでいうとディレクションに該当します。
つまり、ディレクションの書籍なのに、ディレクションの質が著しく低い書籍です。
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