これは学校の教科書的無味乾燥なジャンルディスクガイド本とは一線を画するものだ。執筆陣は暴走ロックンロール/メタルバンドWITCHSLAUGHTのメンバー3人に、別府伸朗氏(BURRN!他ライター)と浜島浩輝氏(OUTBREAK RIOT)の埼玉メタル界隈を支える2人、そして本書を刊行する雑誌「ペキンバー」から加藤隆雅氏である。見ての通りバンドマン成分の濃い本であり、それらのバンドや「ペキンパー」という雑誌の志向は、本書にもそのまま反映されている。
スラッシュメタルとかデスメタルとかドゥームロックというジャンルに拘らない「ビンテージで邪悪」というタイトルに沿ったチョイスが行われており(但しここでの「ビンテージ」は音楽スタイルの意味であって、発売時期を指したものではない)このコンセプトにさえ沿っていればメロディックパワーメタルの類すらも普通に飛び出してくるのが、大変好感が持てる。本当に「ジャンルに偏見がない」というのは、こういうことだ。そして恐らく執筆陣一同でしっかり意思疎通が行われているのだろう。一冊通してブレもない。取り上げられている大半はマニアックどころながら、マニア本にありがちな力んだ偏執性や上から目線の説教臭さもない。非常にしなやかで読み応えもある本だ。
ロックそのものが黄昏に差し掛かりジャンル闘争も終焉を迎えた今、こうした書籍の在り方も新たな局面に差し掛かっている。本書は今後のそれを占う重要な一冊になるかもしれない
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。

Kindle化リクエスト
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。