読後感がとても良い本。情熱に火が付いて少し体温が上がったような、そんな感覚にさせてくれる本です。
ライト兄弟からアポロの月面着陸までの件(くだり)などは、人の持つ可能性や“ビジョン”に突き動かされた時に発揮する人間の力強さを感じずにはいられません。
ビジョンやミッションなどを判りやすい図に落とし込んで解説してあるページはとても判りやすく思わず写メを撮ってしまいました。
後から見直せるように。
本全体を通して、人の力をグッと集めて何事かを成し遂げてきた人達が、何を考えどんな言葉を使ってきたか。経営危機等の窮地に立たされた時に、彼らが戻った原点はどんなところだったか?苦難を乗り越える課程でどうやって大復活を遂げるための源泉となるビジョンを手に入れたのか、などがとても判りやすく読みやすい形で描かれています。よく調べてあるなぁと、読んでいる間も感心しきりでした。
物語を読むように、優れた企業が持っている“見えない資産”の素晴らしさや、お客様やスタッフなど周囲の人々から共感を集め成長していく理由・仕組みを教えてくれる本です。企業経営者だけでなく、現場でリーダーとして活動されている方にも示唆の多い本だと思います。
本書を読んで思ったのは、ビジョンは皆が情熱を持って共有できる理想の形、という定義なのかなということ。
逆に、ビジョンを失うとどうなるか、なぜビジョンがあっても業績が下がっていくのかなども、よく知られた企業を例に解説されています。このまま行くとビジョンを修正することになるのではないか、という企業の解説も登場します。こちらもすごく面白かったです(笑)
筆者の視点と解説で色々な企業のビジョンを見ていくと、同じように見えていたビジョンや企業理念が全く別物に見えてきて、それぞれの企業やそこで働く人々の活動に大きな違いがあることがとてもよく理解できました。どんな企業にも独特のルールや文化があって、それが様々な組織の活動とその結果に大きく影響していることが良く判ります。
企業活動の羅針盤である“ビジョン”というテーマを通して、企業活動だけでなく国や地方創生にも切り込んでいます。
また、今世界で起きているAIなどの技術革新や社会全体の未来像の話も非常に面白かったです。ビジョンを定める上では未来の社会像をどう捉えるかが重要だと筆者は考えているのだと思います。近い未来をこんなに判り易い言葉で予測している本も少ないように思いました。
ビジョナリーカンパニーよりもビジョンの理解には適していると思います。
良著、オススメです。
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