第2号の特集はまさかのアドベンチャーゲーム! 石井ぜんじ氏=ゲーメスト=アーケードゲームという印象が強いため、これには驚かれた読者も多いのではないでしょうか? 自分も驚きました。
内容面では「シュタインズ・ゲート」シリーズの紹介と、「レイジンググループ」シナリオライターのamphibian氏へのインタビューを中心に、ノベル・アドベンチャーゲームの現状が語られています。ただ、この手のゲームの紹介記事の宿命とでもいいましょうか、ネタバレを嫌うあまり奥歯にモノが挟まったような言説になっているように感じられました。おそらく、両ゲームをプレイされている人には至極のインタビューになっているかと思うのですが、自分は残念ながら両者とも未プレイでしたので、ちょっとわかりにくかったかなというのが正直なところです。
むしろ個人的には後半の「Game in えびせん」えび店長・ロングインタビューの方が読み応えがありました。アーケードゲーム市場が斜陽化していく2000年代以降の生々しい業界事情と、その中で個人経営店として孤軍奮闘していく「Game in えびせん」、そして店を支えるコミュニティの関係が、活き活きと描き出されています。
特に印象的だったのが「自分で10万とかお金を出して基板を買って、それを店に持ってきて、自分でお金を出してゲームをする。これはどういったビジネスモデルなんだろうと不思議に思うことがあります」というくだりです。みんなが少しずつお金を出し合うことで、居心地の良い空間が保たれているという、非常にユニークなビジネス事例のように感じました。
また、ゲーム少年が長じてゲームクリエイターというインタビューは過去にも多数ありますが、ゲーム少年が長じてゲームセンター経営というインタビューは過去に例がなく、ユニークな個人史としても楽しめました。今後もさまざまな立場のゲーム業界人のオーラルヒストリーを収集されていくと、資料性の高いシリーズになるのではないかと思います。
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