設定は、とても面白い。
通貨は時間。すべての人間の成長は25歳で止まる。
一部の富める者は、不死に近いだけの寿命を持ち、多くの貧しい者たちの余命は、24時間しかない。
だから、貧しい者たちは、毎日働き続けるか、配給を待つか、人から時間を奪う。
貧しい主人公が、長く生き続けることに疲れた老人(見た目は25歳)から、116年もの大金を譲り受ける。
このあたりの導入は、とても良かったのですが、主人公とヒロインが出会ってからのストーリーがとても残念。
まんま、ボニー&クライドです。
庶民のために時間を奪うための銀行強盗は、何のひねりもない銀行強盗(物理)。
せっかくの設定を生かした、時間泥棒が見たかった。
母と嫁と娘が、全員外見25歳だったり、この映画ならではの面白さもあったのに、
金持ちのやることが、今と大きく変わらないのも何だかなぁと思ってしまいます。
今の金持ちが、アンチエイジングに金を費やすように、不死を叶えた金持ちの欲望を描いてほしかったです。
時間のない庶民の服はファスナーで、金持ちはボタンの多い服などの細部に監督はこだわっていたようですが、
ストーリー自体をもっと練れたような気がして、残念でなりません。
たぶん低予算の割には、画は頑張っていただけに、ほんともったいないです。