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当時AKB48に所属していた増田有華がオーディションの選考を勝ち取り、ボーカリストに選ばれたという経緯があるアニメ「一騎当千」のテーマソング。非常に難易度の高い曲を力強く歌いこなす彼女のシンガーとしての実力が垣間見られる作品。しかし不思議なことに増田有華の肩書きに（AKB48）の文字がない。それで色々な憶測を呼ぶこととなった。
ここから先は想像だが、おそらくオーディションの話を持ってきたのは彼女のマネージャーか周囲の大人だろう。ずば抜けた歌唱力を持ちながらグループの中でいまひとつ光の当たらない増田のためを思って「オーディション受けてみたら」と薦めたのではないか。
しかしそれは総プロデューサーらの意向を汲まない勇み足で、また所属レコード会社からみても突っ込みどころ満載の事案だった。ところが悪く（？）、増田はオーディションを楽々通過。ＡＫＢグループ初のソロでのシングルデビューを皮肉にも勝ち取ることとなった。
しかしＡＫＢグループとしては、当時絶対的勝者は前田敦子でなくてはならなかった筈だ。少なくとも前田の「初ソロデビュー」という商業的プランもあったと思う。そこへ藪から棒に飛び込んできた増田のソロデビュー、運営は大問題にしただろう。そこで仕方なく、この曲のプロモーションは全く行わずに、しかも増田から「ＡＫＢ」の冠を剥ぎ取り、ひっそりとソロデビューさせるという軟着陸に落ち着いた。これが僕の想像。でも大人社会ってそんなもんだろう。後の増田による「私はアイドルが嫌いだった」という発言の裏にはこういった表に出せない事情があったと思う。
この曲は本来一部のアニオタしかおそらく知ることがない筈。僕はＤｉＶＡとしての増田が好きになり、そこから逆行してこのシングルにたどり着いた。ＤｉＶＡのヴァージョンも良いが、原曲もテイストは変わらず、まだ１７歳ぐらいだった少女時代の増田の素晴らしい歌声を堪能できる一枚。２０１４年秋、そのＤＩＶＡも解散。もっと彼女にはビッグになってほしい。
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