私自身は、半年ほどしっかり勉強してから初めて受けた2018年3月の試験で760点だった者ですが、そのレベルにおいては、この本に書かれている内容は、かなり役に立つものが多いと感じました。
類似の書籍としては「超即効スコアUPテクニック114」などがあり、こちらもなかなかよくできた内容でAmazonでも売れているようですが、それと比較しても、遜色のないものとなっていると思います。
単なる「コツ」を示すだけでなく練習問題も豊富で実践的であり、特にPart2で正解によく使われる単語など、迷ったときに指針になるものが多く、模試を解いていてもそれを感じることができました。
ただ、800点以上の方には当たり前の内容も多いと思いますし、そもそもTOEICは英語力を評価する試験であり、純粋な英語力で勝負するものだ、とお考えの方にはこういったテクニック本は邪道だと言われるかもしれません。
私はそこまでストイックではなく、テクニックでも何でも使ってさっさと高得点をとり、TOEICの勉強は卒業したいと思っているクチなので、この書籍のコンセプトは「あり」だと思います。
ただ、誤植がいくつか見受けられたのはかなり問題だと思います。
参考書における誤植というのは、信頼性という点で致命的になるため、売れ行きに影響するのではないでしょうか。
例を上げると
・46ページの回答、C→Aになっている
・281ページの回答、なぜか4つある
など、単純なミスが目立ち、きちんと校正を通しているのか不安になります。
また、私の英語力の問題なのかもしれませんが、解答根拠に疑問が残るものもありました。
例えば79ページの下段の問題ですが、
問 Why don't we postpone the meeting until Jane comes back?
(A) Because it's urgent.
(B) That'll be this Friday.
(C) We can order one.
で、筆者は(B)を正解としていますが、
緊急(の会議)なので(延期できないんですよ)
と捉えれば、(A)が正解でも意味が通るのではないでしょうか。
(おそらくWhy don't we~は「~しませんか?」なのでBecauseで答えない、という引っ掛けの意図があるのでしょうが、それなら形容詞をurgentにしないほうがよかったかもしれません)
また、私自身の仕事に関係していたため、気になった点もありました。
169-171ページの問題で、sponsorを「後援する」と訳していますが、「sponsor」は資金的に援助をする意味なので、日本語では「協賛する」が正しいのではないでしょうか。ちなみに「後援する」は、主に省庁などの公的機関などがお墨付きを与える場合に使い、基本的にお金は絡まないことが多いです(例外もないことはないですが)。英語だとsupportを使うか、auspiceを使うようです。
ということで、内容はよいのですがが、いくつか問題がありましたので、星は3つとさせていただきました。
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