サッカー漫画としての展開は面白いとは言えます。しかし…
巻が変わる度にクルクルとストーリーに流れるトーンが変わってきたこの「ティエンポ」。今までその変化を楽しんできましたが、第5巻に至り、ついに、ジャンプ三大原則である、友情・努力・勝利を満たす普通のスポーツマンガになってしまいました。
(勝利はまだ得ていませんが)
本作は、ヤングジャンプ連載作品なので、こうなることはあり得たのですが、第1巻で友情要素一切なしどころか登場人物が皆、他者を省みない自己中心的な思考の持ち主という清々しい始まり方で、更に巻が変わるごとに異なるトーンで攻めてくる意外性から、新しい巻が出るのをワクワクして期待していたのですが…この第5巻はダメでした。
このジャンプ三大原則を踏襲するトーンで描かれるのはこの第5巻のみで、第6巻ではまたこれまでとは異なる新しいトーンに変わっていることを願って次巻を待ちます。
ひょっとして、このマンガは、友情・努力・勝利を1つずつ集めていくマンガなのかもしれません。最初は主人公瀬戸にはどれも無くて、まずは「努力」してボールコントロールを獲得、そしてこの巻のラスト近くで、瀬戸のことを駒としか見ていなかった朝美が瀬戸を息の合う同志として扱っており、ここで「友情」を手に入れている。後はこの試合に勝つ、もしくはその先にある優勝となることで「勝利」を得る物語として最初から設計されているのかもしれない。
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